と あ る 大 学 で 。【赤司 征十郎】

大 学 生 活 ２９ ページ30

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【思 い 出 に 残 る 写 真】









「隣で微笑んでいるのが…？」

「僕の母です」









赤ちゃんの隣で優しく
目を細めている細身の女性









肌は白く、長く伸びた髪は
右下で緩く結ばれている









赤司って母親似なのかな…
どことなく顔のパーツが似ている気がする









「とても優しそうな人だね」

「ええ。父とは正反対の方でしたよ」

「へぇ…お父さんは写ってないの？」









アルバムをペラペラとめくっても
お父さんらしき人物は写っていなかった









いない…ってことは無いよね









「父は忙しい方ですから」









写真もあまり好きでは無かったですし。
と付け加える









でも１枚くらいはアルバムに
写っていてもいいと思うんだけど









まぁそれほど忙しい人なんだろう









「はい、ありがと」

「どうも」









高校卒業のページまで見て、
アルバムを赤司に返した









中学生のページからは
友達と写る写真が少なくなっていた気がする









その中でもミドリの眼鏡クンとは
たくさん撮っていたけれど









「大学では撮らないの？」

「撮る人いませんし」

「スマホじゃダメ？」









私は自分のスマホのカメラアプリを開く









そして赤司に向けてシャッターを押した









「え、」

「大学生の赤司。記念すべき１枚目」









なんてね。と笑ってみせる









するとアイツのスマホからも
シャッター音が聞こえた









「じゃあAさんの写真も
一緒にアルバムに載せましょう」

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