と あ る 大 学 で 。【赤司 征十郎】

大 学 生 活 ２１ ページ22

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【心 を 読 ま れ た よ う で】









「…アンタはただの後輩だよ」









私は特にそうだ









相手に本当の【キモチ】を伝えられない









素直になろうと頑張っても
天邪鬼になってしまう









「別に頑張らなくても良いんですよ」

「は？」

「天邪鬼なAさんも好きだから」









今考えていた事をドストライクで
当てられビクンと肩を揺らす









「応え、待ってますからね」

「それって…」

「僕と付き合うかどうか、ですよ」









ふふ、と笑うアイツの左眼が
一瞬黄色く光った気がした









背筋が凍るような感覚









瞬きしてからもう一度赤司を見ると
左眼はいつもの紅色に戻っていた









「…考えてみてあげる」

「良い応えを期待しています」









ニコリと微笑んでから
何かを思い出したかのように
彼は自分の手帳を開く









「そういえばAさん、」

「何？」

「夏休みって空いてます？」

「夏休み？」









そう言えばもうすぐ夏休みだっけ









パール大学の休み期間は長い
夏休みは大体２ヶ月くらいある









「勉強くらいで特に予定は…」

「なら丁度良かった」

「何かあるの？」









「中学時代の友人に会うんです」と
言いながら、もの凄い早さでスマホを操作する









親指だけであんなに早くスライド
出来るものなのだろうか









「その友人に私も会えと？」

「ええ。一応伝えておきました、今」









赤司に見せられたスマホには送信完了の文字









宛先には「黒子 テツヤ」と記されていた









「え。嫌だよ、会うの」

「相手は彼だけだし別に平気ですよ」









黒子って奴に会ったことないし
どんな人なのかも知らない









そんな初対面の人と会ったら
また相手に失礼な態度を取ってしまうかも









「嫌だからね、私」

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