と あ る 大 学 で 。【赤司 征十郎】

大 学 生 活 １２ ページ13

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【偶 に は 頼 っ て ほ し く て】









学生証をセンサーに当てると
学生寮の自動ドアが開く









最上階まで階段は面倒くさいので
エレベーターを使う事にした









『行キ先ヲ押シテ下サイ』









いかにも機械のような女性の声が
してから最上階のボタンを押す









『最上階、赤司征十郎様フロア』









ゆっくりとエレベーターは動き出した









最上階に着くと大学が一望出来る
大きな窓が目に入る









私たちの部屋は普通の寮部屋の何倍も広い
だからアイツを探すのが大変だ









赤司はどの部屋にいるだろうか
やはりベッドルームにいるかな









そう思ったけどその予想は外れ
彼を案外早く見つける事が出来た









「何でアンタそこで寝てんの…」









赤司はベッドでは無くリビングルームの
ソファで横になっていた









少し顔が赤く、辛いのか顔が歪んでいる









資料は適当に机の上に置いて
メモでも書いて帰ろうかな









「ん、」









私の足音に気付いたのか
彼は目を覚ました









やばい、起こしちゃったかもしれない









「…え、Aさん？」

「あー。起こした？ごめん」

「い、いえ。大丈夫です」









おっと、と立とうとする赤司の
バランスが崩れる









反射的に私の手がアイツに伸びた









「ちょっと、平気？」

「すみま、せん…」

「ベッドルームまで行こ」









１人で歩けます、と自力で歩こうと
する赤司を私は止めた









「先輩を頼って、バカ司」

「…初めて言われました」









無駄に広い寮部屋の奥の
ベッドルームまで彼を支えて歩く









キングサイズくらいの大きさのベッドに
寝かせて布団を掛けてあげた

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