D.Gray-man 本当の私を探して見つけたものを大切に12

第9歩　本当はね ページ12

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上を向いて何度も瞬きをする

涙がやっと引いてきた
それを狙ってかミカが来る


ミカ「リナリー、大丈夫？」


リナリー「やっぱりバレバレ？」


振り返って真っ赤に晴らした目で笑ってみせる


ミカ「バレバレもなにも、いつもそうじゃない。自分から会いたいっていうくせにすぐ居なくなる」


全くの正論だ
あの場所に2分といられたことは無い


リナリー「……私ね、アレンくんのこと好きだったんだ」


ミカ「そうだったの」


リナリー「うん。でもね、Aのことも好きなの

だから応援したい。そう思ってた
そう思ったから、応援していたつもり


でもね、今このAがいない世界にどこか喜んでいる私がいる


最低だよね……私」


ミカ「…………ええ。

とは簡単に言えないわね。人間の心理は私にもよく分からない複雑なものだもの」


リナリー「ううん……やっぱり私は最低だよ

Aがいいのをいい事にアレンくんに媚を売ろうとしている」


ミカ「成果は出てるの？」


リナリー「ううん。出ない

出るわけない。アレンくんは昔も今もきっと未来だってAのことしか見ていない


私がいくら優しい言葉をかけたって、オシャレをしたってアレンくんは気づいてもくれない」


ミカ「それはまだ悲しみから立ち直れないでいるからよ」


リナリー「違うよ……。私はアレンくんの空いている手を手に入れることは出来ない」


ミカは一瞬困った顔をしてほころんでから一息ついた


ミカ「どうする？帰る？泊まっていく？」


リナリー「帰るよ……兄さんに帰るって言っちゃったし」


ミカ「そう、じゃまた」


リナリー「うん、またね。ご飯ご馳走様でした」

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