第266話 みんなあなたを愛してる ページ25
ルカは青秀のあまりに真っ直ぐな瞳に耐えられず、目を逸らしてしまう。
「何故…どうしてそこまで私を……」
「俺にもよくわかんねぇんだけどさ、初めて会った時から、こう…運命感じたんだよ。それから、接していくうちに、ルカちゃんの全部が好きになった」
「う、嘘だ嘘だ!!
私は復讐の為に生きてきた醜い人間だ! 元はと言えばマリアをアステラス王国の女王に推薦して選挙をサポートしたのも、煌帝国に近づく為。
…私は、汚い女なんだ……私を愛せる人間など、いるはずがないだろう!!!」
「いるわよ、ここに」
離れて戦闘を見守っていたレイラが、フィアの肩を借りて、青秀とルカの元へと歩いて来ていた。
「彼が何度も言っている通り、まず青秀くんがそう。
そして……私はあなたのことが大好きよ。私の過去のこと、ずっと黙っていてごめんなさい。本当はずっと打ち明けるべきかどうか、迷っていたの。あなたにも重荷を背負わせてしまうんじゃないかって。
でも、あなたが望んでくれるなら、ちゃんと話すことに決めたわ」
「レイラ…」
黒髪の少女の瞳が潤み始める。
続いて、フィアが頬を赤く染めながら、けれどもルカの方をしっかりと見て言った。
「あんたは厨二病だし、ほんと手のつけられないようなやつだけど…
た、大切な仲間だから…あたしだってあんたのことはす、好きよ!!」
「フィア…!」
青秀の手のひらに、ぽたぽたとルカの涙が零れ落ちた。
「ここにいる私たちだけじゃない。マリアちゃんも、メイちゃんも、トラルークちゃんも、ゴドルさんも、城の人たちも、王国軍の皆も、そして……アステラス王国の国民たちも、みんなあなたを頼りにして、大事に思っているわ。復讐が目的だったとしても、あなたは結果として多くの人を救った。幸せにした。マリアちゃんを側で見守っていく内に、アステラス王国を本気で守りたいと思うようになったんでしょう? 前にも言ったでしょ。それがあなたの生きる意味よ。
あなたのお兄さんだって…あなたのことをこの世の誰よりも愛していたはずよ。だからそんなあなたが、人としての道を踏み外すようなことがあれば、きっと悲しむと思うわ。私たちだって、そうなってほしくない。
だからルカ、お願い、戻ってきて……」
レイラが、ルカに向かって手を伸ばす。
フィアも彼女の隣に並び立ち、手を差し出した。
「ルカ…!!」
「ルカちゃん…!!!」
青秀がルカをそっと地面に下ろし、優しく背中を押す。
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ちぇりい(プロフ) - ネコ2世さん» ありがとうございます!!!マギも完結しましたし、まだこの小説を読んでくださっている方がいることに驚き、とても嬉しいです! 頑張って完結させますね!! (2022年1月27日 23時) (レス) id: 3c2f248552 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - みっちゃんさん» まだですが、頑張ります!! (2022年1月27日 23時) (レス) id: 3c2f248552 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ2世(プロフ) - この作品を読んでいてファンになりました!美少女達の恋の行方や世界を救えるのかなど続きが気になります! (2022年1月24日 5時) (レス) @page40 id: 70e333ef08 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん - これって物語完結したんでしょうか? (2021年4月28日 23時) (レス) id: 9e3370e2e5 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - (*∀*)ノさん» コメントすごく嬉しいです!!ありがとうございます!! 大好きになっていただけてかなり嬉しいです! 今後もマリアの活躍を楽しみにしていてください。 (2019年4月15日 0時) (レス) id: 3c2f248552 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぇりい | 作成日時:2018年3月30日 16時