第38話 歌のちから ページ47
マリアは、神歌シャルララを口元に近づけると、繊細なメロディーに沿って歌い始めた。
♪この世界に生まれて 笑って 泣いて 怒って
色々なことがあったね
少女の美しい歌声に惹かれて、ルフたちが次々と集まってくる。
国民たちは、彼女が突然歌い始めたことに驚き、目を丸くしてマリアを見つめていた。
「マリアがうたってる!」
「い、いきなりこんな所で歌うなんて…
何考えてんのよ!」
メイたちでさえ驚愕している。
♪辛いことがあっても 私は空を見上げてた
いつか虹が架かると信じて…
歌を黙って聴いていた民衆だったが、やがて彼らはその美しい歌に感動し始めた。
そよ風の様な優しい旋律、心に響く歌詞、包み込むような歌声…
これらによって民は、失った家族のことを思い出して涙したり、自分たちの国を守れなかったことへのやるせなさで心を震わせたりしていたのだ。
♪一度忘れた夢 君が思い出させてくれた
大切な宝物 もう二度と手放さないよ
私の心の歌 遠くまで届きますように
練紅炎と紅明は立ち上がってマリアを見ていた。彼らの眷族たちも、奇跡の様な光景を目の当たりにして、立ち尽くしている。
「ルフが、私たちに可視化される程に集まってきている…!?」
「何なのだあの女は。マギか?」
「いいえ、そんな筈は…」
二人は、マリアについて議論を交わしている。
♪苦しいときは下を向いたらだめだって
君が教えてくれたよね
ほら 振り返れば虹が架かってる
なくしかけていた愛 君が繋ぎ止めてくれた
この心に刻んで みんなに幸せを運びたい
私の愛の歌 虹に乗ってどこまでも___
歌が終わると、民衆は一人の偉大な少女に割れるような拍手を送った。
マリアはその歓喜の渦の中で、喜びを噛み締めていた。
(私の歌が、みんなを幸せにできるなんて…こんなに嬉しいの、生まれて初めてだよ…!)
「皆さん、ありがとうございます! どうか、投票よろしくお願いします!」
少女は、律儀にぺこりと頭を下げると、ステージから立ち去った。
民衆の賛辞は、マリアが退場しても止まず、パチパチと手を叩く心地よい音がいつまでも続いていた―――。
※マリアが歌った曲のタイトルは「虹」です。
ちなみに歌詞は作者が考えました。
- 金 運: ★☆☆☆☆
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ちぇりい(プロフ) - ノルネットさん» コメントありがとうございます。すみません、話的にどうしても名前の決定が必要でした。皆様には主人公ではなく読者としてこの作品を見ていただきたくて…ご期待に添えず申し訳ありません。 (2016年2月16日 19時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
ノルネット - 名前変換ができると嬉しいです! (2016年2月6日 23時) (レス) id: ed849dd137 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - ユートピアさん» コメントありがとうございます! 更新頑張るので、どうかこれからもよろしくお願いいたします! (2015年5月17日 9時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
ユートピア - とてもおもしろいです!続き楽しみです!頑張ってください (2015年5月16日 22時) (レス) id: afcfdd1663 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりい(プロフ) - のどかさん» はい! 私も早く紅炎様を出したい一心で機をうかがっております。。 選挙編頑張って書きます! (2015年4月22日 23時) (レス) id: 19c12415ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぇりい | 作成日時:2015年3月1日 9時