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 期待してたわけじゃないけど、やっぱり蘭は買い物袋は持ってくれない。そんなに重いわけじゃないけど、たまに気遣ってくれたらなぁ。て思ったけどそれはそれで気持ち悪い気もしてきた。


「蘭何飲むの?」
「同じのグランデ」
「りょーかい」


 蘭は座ってるわ、と言って携帯を見ながら先に中に入って行った。私は注文を済ませて、飲み物を用意されてるときに作っている可愛い店員の女の子が私に話しかけて来た。


「素敵な彼氏さんですね」
「あはは、彼氏じゃないですよ。奢らせるし荷物も持ってくれないヤツです」
「あっそうなんですね」


 目を丸くして驚いた顔をする店員さんはくすくすと笑っている。かなり可愛いなぁこの子。と思っていると、私の飲み物を渡される。


「お連れ様のもう少しお時間かかるのでお席までお持ちしますね」
「あ、はーい」


 結構混んでるし、ホイップとか切れちゃったのかも。て思いながら、蘭の座ってる向かいに座る。


「蘭の少し時間かかるって」
「ん、」


 ちら、と私が先に飲んでるのを見て携帯を置いてじっと私を見つめ始めた。私は何も言わずに見つめ返す。沈黙を先に破ったのは蘭だった。


「A俺の話してただろ」
「うん、聞こえてたんだね」


 ちょっと愚痴みたいなもんだから普通の人なら気まずいのかもしれないが、特に私は気にしない。蘭は言ってしてくれるような人間でもないし。すぐ怒りだすようなこともないから。そこに、さっきの可愛い店員さんがお待たせ致しました〜、と私のより1つ大きいサイズのが蘭に手渡される。
 蘭は女の子の方を見て微笑んで、それを受け取ってありがとう、と言う。私にはそんな顔しないくせになぁ、と思いながら一部始終をフラペチーノの飲みながら見ていた。あ、今気づいたけどあの店員さん、蘭のこと狙ってるのかも。


「あの店員さん可愛いよね」
「まあまあ」
「え、辛口審査過ぎない?」
「お前が単純過ぎるんだよ」




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作者名:パチンカスヱ | 作成日時:2021年11月14日 1時

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