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｢あれ、ゼーゼーがすごいね、、それじゃ結構苦しいでしょ｣
運動できないわけじゃない。
でも、息が切れる動作をすると、必然的に気管支を酷使することになっちゃうから、ゼーゼーするのは間逃れない。
全力疾走で逃げてきた俺は、部屋に戻る最中に、エレベーター内で高橋先生に遭遇してしまい、音の響く空間でヒューヒューゼーゼーいってるのを指摘される。
｢もー、これは、病院関係者専用のエレベーターなんだから乗らないでよね？まぁ、いいや、結果的に体調知れたし。｣
ハゲた頭とSっけのある目をきらんと光らせ、いやらしい笑みを浮かべる。
｢ごーめーんーなーさーいー｣
採血をされるとわかった瞬間、取り乱す俺。
適当に謝ってみるが、血を取られることは避けられなさそう。
｢風邪ひいてたらこわいから、白血球の数調べないと。ほら、咳出るんだから大人しくしてて！｣
看護師の応援を呼び、マスクタイプのネブライザーをつけられ、去痰薬を点滴で入れることに。
｢これ痛いー｣
｢そ？じゃ、差し替える？｣
鬱陶しい点滴を指させば、そう言って意地悪を言う先生。
｢いい。｣
高3にもなってわがままを言い続ける俺。
親代わりのこの人に甘やかされて育ったせい。
｢そーですか。｣
俺が脱いだ制服をハンガーにかけ、スウェットを渡してくれるこの人。
｢風邪ではなさそうだな。きっと疲れてんだ。今日は休みなさい。｣
ベッドのリクライニングを上げ、椅子に座ってた俺を、そっちまで支えながら移してくれる。
ほんと、どんだけあまあまなの。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年8月27日 3時
