探偵事務所ｰHit the floorｰ (ページ3)

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｢カズ、元気そうね！｣

縛ってた髪の毛を解き、母の顔になる妻。

いつから俺らの話を聞いていたんだか。

いいタイミングで話に割り込んでくる彼女。

荷物を置くがてら、盗聴器や監視カメラがないかをサッと確認し、腰掛ける妻。

『複製したのよね？』

カズと喋りながら、靴をトントンと鳴らし、モールス信号で会話する俺ら。

『もちろん。』

この会話は今日のあのことだろう。

署長に証拠を回収される前に証拠の映像を複製する俺たち。

いつか、和の容態が安定した時、これを世間に公開し、署長を刑務所にぶち込むんだ。もちろん滝沢秀明も、、隠蔽を手伝った自分自身をも。

守るべきものができ、ヒーローになるどころか弱くなった俺だったが、まだ、ヒーローになる夢は諦めてはいない。

誰に殺されたか、ものを取られたか、を知らずに苦しんでる遺族や被害者のためにも、なんとしても事実を明らかにしないといけない。

そのために、信頼出来る妻とふたりで頑張ってる。