お荷物 ページ21
英智様のハーブティーが届いてからわたしは、昨日の夜から考えていることを打ち明けた。
「良いのでしょうか。わたしが彼女で。わたしは篠宮家のお荷物です。弓弦くんはお荷物になんかさせないと言ってくれましたが…わたしは…」
「え、Aはお荷物なんかじゃないよ！！」
「うん、弓弦と付き合った時点で君はお荷物じゃないね」
怒る桃李くんに同意する英智様に2人で首を傾げる。
「え？」
「弓弦と付き合った時点で、篠宮家には絶対的なコネクションができたことになる。このまま君達が結婚までいけば、伏見家に君は入ることになるかもしれない。そうすれば、伏見家の支える姫宮家へのコネクションも同時に作れることになる。ここからはちょっと桃李に申し訳ない例え話になるのだけど」
「いいよ、英智さま」
桃李くんがにっこりと笑うと英智様は、ありがとうと話を続けた。
「もしも、この先姫宮家の栄光が途絶えてしまえば、篠宮家は姫宮家とのコネクションがある限り世話をしなければならなくなる。そうなると君は再び篠宮家のお荷物になってしまう。
弓弦のお荷物になんかさせないっていうのは、篠宮家も姫宮家もどちらの栄光も支えるという両家へ忠誠を誓う言葉だったんじゃないかな。さすが弓弦だね。僕もドキドキしちゃったよ」
「…弓弦」
驚いてる桃李くんの目の前で、わたしは英智様の思わぬ言葉に涙が滲みそうになっていた。
「うん、だからね。Aは自信を持って両親に報告すると良いよ。きっとお喜びになるんじゃないかな」
「はい、ありがとうございます」
軽く目を擦ると英智様は続けた。
「A、覚えておいてほしい。いつだってAは篠宮を捨てられるよ」
「え？」
「篠宮に縛られなくてもAを篠宮から引き剥がすことくらい弓弦も僕もできるということ。もしも苦しくなったらいつでも頼りにおいで」
苦しい時…これから来るのかしら。
でも、わたしそんな時も隣に弓弦くんがいればなんとかなる気がする。
「ありがとうございます、英智様。でも今のところわたしは篠宮家を捨てる気持ちはございません」
「ふふ、まあ覚えてくれていればそれでいいよ」
そう言って英智様はハーブティーを飲み干した。
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宝(プロフ) - あーるさん» コメントありがとうございます！弓弦お好きなの嬉しいです〜(*^^*)おもしろいと言ってくださってありがとうございます！応援もありがとうございます！最後まで走りきります (7月5日 20時) (
レス) id: 2151f87f60 (このIDを非表示/違反報告)
あーる(プロフ) - 弓弦の夢小説少ないので嬉しいです(;_;)すごく面白いです応援してます！ (7月4日 23時) (レス) id: cb84109612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宝 | 作成日時：2023年7月3日 19時
