羽が44枚 ページ7
「A、ワニ野郎と駆け落ちか?」
『違うわドフィ。私ったらまた迷子になっちゃって』
「デートしたら道を教えてやるって約束でな」
「ぁあ"!?」
びきり、とドフィの額に血管が浮いたかと思うと急に勢いよく腕を引っ張られる。ドフィの能力だろうか。そのまま手を引いて私を抱き上げた。
『ドフィの部屋までがデートコースなの。でもドフィが来たから終わりね』
ドフィの肩に寄りかかりながらクロコダイルに微笑みかける。まだ不機嫌そうな彼の頬にキスをすると、私を抱く左手に力が籠った。
「まァ、ほんの数分だったがな」
『楽しかったでしょ?…もうドフィ、ほら、むくれないの』
はん、と鼻を鳴らすワニさんの言葉に苦笑するとドフィが頬を膨らます。男の人ってこんなに子供っぽいものなのかしらと考えながら頬をペちペちと叩いた。
「…男の嫉妬は見苦しいぞ?」
「なら手ェ出すんじゃねぇ」
「はん、ならちゃんと捕まえとけよ」
「うるせェ…A、部屋戻るぞ」
『はぁい。ワニさんまたね』
すっかり不機嫌になったドフィの肩口からワニさんを見るとひらりと手を振られたのでこちらも振り返す。それに余計ドフィの機嫌が悪くなったのはまぁ、当たり前か。
『ねぇドフィ、機嫌直して?』
「別に悪くねぇ。…Aのタイプってあんなのなのか?」
ドフィはむすりと頬を膨らましたまま部屋のソファに隣合って座ってそう呟いた。精一杯可愛い顔を作って宥めてみるがあまり効果がない様子。
『ワニさん?かっこいいとは思うけど好みじゃないわ。ドフィの方が断然好き』
「……その割には仲良さげだったな?」
『ワニさん、私がドフィの恋人だから興味があるんじゃない?そのうち飽きるでしょ。私、ドフィから離れる気も予定もないから安心して?』
「……ン」
機嫌はどうやら直ったらしい。ドフィは私の腰を持ち上げ膝に乗せると、肩に顔を埋めてお腹に腕を回した。
『……そんなに心配だった?』
「………ンなわけあるか」
『そう?』
ドフィの短い金髪を撫でながらそこにキスを落とす。猫が擦り寄るみたいにすり、と私の首筋に擦り寄るとそのまま触れるだけのキスをされた。
なんだかいつもと違う切なげな瞳に胸が高鳴る。
―――ドフィてば、こんな顔が出来たのね―――
ドフィの捨てられた子犬のような雰囲気に思わずドフィの頭を抱きしめる。ドフィもそれに抗うことはなく、その後少しの間見つめあって、互いに唇を重ねた。
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たろ。(プロフ) - 夢主ええ女やな…更新お願いします (2022年4月11日 22時) (レス) @page11 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
おもちちゃん(プロフ) - あの、、、もう更新はされないのでしょうか、、、?pandoraさんさえ良ければまた更新再開してくださる日を待ってます、、、 (2022年2月15日 2時) (レス) @page11 id: b3862cde2f (このIDを非表示/違反報告)
raimu(プロフ) - あ″っ!!!続きを!!お恵み下さい…!!! (2020年6月30日 3時) (レス) id: cc8377c5e5 (このIDを非表示/違反報告)
pandora(プロフ) - うめにぃな(ユキ)さん» コメントありがとうございます!これから投稿致しますのでしばしお待ちを! (2019年11月18日 22時) (レス) id: ee0d8bcccc (このIDを非表示/違反報告)
pandora(プロフ) - 霜月さん» コメントありがとうございます!キバナさんのデカマックスモーションとか自撮りとかあの近く行くとニコってするとことか主人公の頭2つ分くらいでかい背丈とかもう心臓射抜かれました。今ストーリーを作っていますのでもう暫くお待ちください! (2019年11月18日 12時) (レス) id: ee0d8bcccc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Pandora | 作成日時:2019年7月27日 23時