【鬼灯の冷徹】第二補佐官は狂っている。

狂想19 ページ20

貴「鬼灯様」


鬼「何ですか？」


貴「閻魔様はどうしてさっき寂しそうな顔をしていたんです？」


鬼「！」



ごつごつした大焼処までの道程を歩きながら、鬼灯様にそう尋ねた。すると、鬼灯様は些か面食らった様な、驚いた顔をした。



どうして驚いているのだろう。



鬼「…………大焼処の入口には、私達を殺した村人がいます。大王は優しいので、それを案じたのでしょう」


貴「なるほど」


鬼「それにしても、Aさん」


貴「はい？」


鬼「やっと、他人に興味を持つ様になりましたね」


貴「―――――…あ」



何故寂しそうな顔をするのか。



何故驚いた顔をするのか。



前までは全く、気にも留めなかったのに。



貴「………なんででしょう」


鬼「………」



鬼灯様は、何か考え事をするように、少し斜め上を見た。



鬼「……すべきかもしれませんね」


貴「え？ 」


鬼「何でもないです」



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