警視庁捜査第八課の新米刑事ちゃんの名推理。 【 黒バス 】

ページ ページ32

虹村「アリバイは要らないって………」




樋渡「じゃあどうやって私が殺したというんですか?!


遠隔殺人?馬鹿馬鹿しい」





「いえ、遠隔殺人………ううん。
まあ、そうですね。遠隔殺人と言えば遠隔殺人です。



だってあなたは自分でナイフを刺していないんですから」





宮地「…は?」




樋渡「何を言い出すかと思えば………この人はいったい何を言っているんです?」





「ナイフがかってに刺してくれたんですよ」




虹村「おい、Aマジで何言ってんだ?」




「この殺人では、氷と糸、そして凶器さえあれば
"ある現象"を使って殺人を行う事が出来るんですよ」




宮地「ある現象?」




「復氷という現象です。

復氷とは氷に圧力を加えると融点が下がり、圧力が加わった部分になってとけます。
そして圧力を取り除くと、融点が戻ってとけた部分が再び凍る…

そういう現象です」




樋渡「私がわざわざ氷を用意して、銅線を使って溶かしたとでもいうの?
そんな面倒なことする理由がわからないわ」






「発見を遅らせるためですよ。

大谷さんは、ウチのプロファイラー曰く眠りが深い人だったらしいです。
一旦寝てしまうと、滅多な事がない限りは起きません。


それが睡眠薬で眠らせた上に、すこし温かくして環境を整えたらどうなるでしょうか。
……さぞ気持ちよく眠れますね。

貴方は、被害者の胸にナイフが刺さった時に"悲鳴"を上げられないために
眠りを深くしたんです。復氷現象を使って、時間を稼いで。




トリックはこうです。


まず、被害者を眠らせてその両脇に大きめの氷を置き
ナイフを通した銅線を少し食いこませまれば


あとは氷が解けて刺さる…と言うわけです」





虹村「銅線を使ったのは、糸より銅線の方が熱伝導率が良いからだな」




「はい!!」




樋渡「で、でもそんな氷何処にしまうのよ!!」





「段ボール箱です。
大谷さんは、普段から段ボールにあるドライアイスで
ビールなどの酒を冷やすそうです。


その下に氷を置いて薄い段ボールの敷板で上に蓋をして
ドライアイスを置けば溶ける時間は遅らせたられますしね」





樋渡「でも、証拠がないわよ!!!」





宮地「………」




虹村「確かに……証拠がないぞ」




「……それは、七課が持ってるかもしれませんけど」









宮地「いや、お前は最後の最後でミスを犯した。
自分から犯人だと名乗ってんだよ」

次ページ→←前ページ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す