747.ダメな話 ページ27
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｢ありがとうございました、大丈夫そうです｣
あの後、すぐに業者さんが荷物をあげてくれて
予定してた時間よりも早く私の荷物の引っ越しが終わった。
荷物の配置や傷の有無の最終確認を終えて
お金を渡して、書類にサインをしていると
｢あの〜･･･｣
作業中下っ端っぽく作業をしていたお兄さんが、申し訳なさそうに声をかけてきた。
｢はい？｣
｢もしかして、相葉さんって、、相葉雅紀さんの奥さんっすか･･･？｣
｢え、あ･･･っと･･･｣
思いがけないセリフに、一瞬たじろいでしまったけど
表札は相葉だし、こんな高級マンションの高層階に住めるなんて人はそうそういない。
それに、不動産屋さんが手配した信頼できる業者さんって言ってたし
隠したところできっと名義人は彼の名前になってる、、って思ったから
「はい、、」
って、一応肯定した。
「わ、まじっすか！･･･あの、色々大変だと思うんですけど、、」
「おい！何やってんだ！！お前！」
後ろから現れたガタイのいいお兄さんは、多分目の前のお兄さんの先輩。
「すみません！こいつまだ新人でっ！！」
「や、あの、、」
「お前、研修でそういう話はするなって言われたろ！」
そういって「すみません！」って焦ってる先輩さんを見て
後輩さんも、あっ！！って思い出したかのような顔をして深々と頭を下げる。
「すみません、本当に、、」
「や、その、大丈夫です、、(笑)作業、ご苦労様でした、、」
そういうと、なぜか二人は顔を赤くして
何か、変なこと言ったかな、、って
こう言う時って、ご苦労様なんてあんまり言わないのかな･･･。ってミチルに助けを求めようと思ったけど
当の本人は、また樹くんからの電話で不在。
失礼します、って靴を履いて玄関を出ようとする二人を見送ろうとついていくと
後輩さんが、靴を履き終えて顔を勢い良くあげる。
「じ、じゃあ！あの、頑張ってください！｣
「え？」
「ばかっ！そういうのもダメなのっ！」
そう言って、先輩さんは後輩さんの頭を無理やりお辞儀をさせる。
「ほんっと、すみませんっ、、」
「す、すいませんっ！！」
なんだか、ここまでくるとコントをしてるように思えてきて
思わず、笑ってしまうと、また二人は顔を赤くして。
さすがに笑うのは失礼だった、って急いで私も謝ると
「い、いえ！あの！失礼します！」
帽子を取ってお辞儀した青年二人は、最後は笑顔で出て行った。
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作者名：にゃん | 作成日時：2020年3月21日 9時
