748.風邪っぴき彼氏 ページ28
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扉が閉まると、ふぅ、って一息。
リビングに戻ると、壁に向かって電話をしてるミチル。
私の気配に気づいたのか、パッと振り返って
ごめんっ！って申し訳なさそうな顔に
大丈夫だよって口パクで伝えた。
「よし、、少しずつ始めようかな」
リビングに運ばれた荷物は、夜にまとめて家具が届けば、すぐに片付けられる。
そうなると、今できるのはクローゼットに服をしまったり
持ってきたほんの少しの食器を棚にしまうことぐらい。
よし、あと一息！って気合いを入れた時
ポケットにしまっていた携帯が震えた。
「はい？」
『あ、Aちゃん？どう？そっち』
「あ、今丁度、業者さん帰られて、服とかだけでもかけようかなって思ってたとこです、」
『あ、そうなの？俺も今着いたから、上がろうと思って』
「そうなんですね、鍵は･･･？」
『ん、貰った。』
「じゃあ、部屋で待ってますね、」
『ん、すぐ行くね』
そんな会話をして、電話が切れると
いつの間にか電話の終わったミチルが、相葉くん？って顔をのぞかせた。
「あ、うんっ。今下に着いたから上がるって、、ミチルも樹くん平気？」
「それがさ、、樹いま風邪ひいてて、、」
「えっ、そうなの！？」
「そうそう、ちょっと手伝ってくるだけだからって言ったんだけど、ちょっとかなりしんどそうで、、」
「嘘っ、ごめん、知らなくて、、うちはもう平気だから、おうち帰ってあげて？」
「ん、そうさせて貰ってもいい？ごめんね？」
「ううん、すごい助かった。こっちこそごめんね、駅までの道わかる？」
「うん、大丈夫！グーグル先生いるから！Aも今日はゆっくり休んで！」
ミチルは、そう言って荷物をまとめて
「今度、今日のお礼させてね？」
「いいよいいよ(笑)困った時はお互い様でしょ？それに、途中で帰ることになったし、、」
「それでも、私がお礼したいからさせて、」
「･･･じゃあ、、ありがたく(笑)」
「うんっ、」
ミチルは、ローカットの黒のコンバースをパパッと履くと
カバンを肩にかけて、急ぐように玄関を出て言った。
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作者名：にゃん | 作成日時：2020年3月21日 9時
