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「たまたま雨宿りした所に真田くんがいて、いろいろ助けてくれただけだよ」
「いろいろねぇ…抱きしめられてるのかいろいろか…ちゃっかりジャージまで借りて
だから傘持ってけって言ったろ？
つうか、名前呼び？なにそれ…」
名前知られちゃったのは抽選会場で一也が大声で呼ぶからじゃないか…
「しかも、サラッと連絡先渡して
なんなのあいつ
よっぽど気に入られたんだな！イケメンに気に入られて良かったなー」
わざわざカチンと来るような物言いについ私も嫌らしく返してしまう
「そんな怒んなくてもいいじゃん
自主練の邪魔してごめんね！」
「今日はもう集中できねぇから、ミットの手入れする」
私に迎えを頼まれたのがそんなに気に食わないのかな…後でお詫びになにか持ってこ…
「一也はさ…顔見知りの女の子が雨に打たれてたら、タオル貸してあげたりジャージ着せてあげたりってできる？」
「Aにならする」
「顔見知りの子だってば！」
「俺が学校の外でこの子は顔見知りだって認識出来ると思うか？野球部以外ほとんど関わってねぇのに」
「あ、そっか…」
そっかじゃねぇだろと小突かれた
言ったのは一也でしょ？
「真田もAだからしたんじゃねぇの？
抽選会でもなんか親しかったし
気に入られてるみてぇだしなっ」
「あー、わかった！一也妬いてる？」
「……悪ぃかよ…」
「え？」
そう返したら、傘が閉じられた
いつの間にか寮に帰ってきてたみたい
機嫌悪そうに階段を登っていって上から風呂入っとけよと一也が叫ぶ
乱暴にドアが閉まった
なにあれ…
拗ねてるみたいな顔だったけど、ちょっと赤くなって…
一也のあんな顔見た事ない
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作者名：彩葉 | 作成日時：2021年6月17日 20時
