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あ、いけね…大事なこと忘れてた
俺がベットから降りるとAはベットへ座り直した
カバンからAに気持ちが伝わったら渡そうと思ってたものを取り出して、Aに手渡す
「ホワイトデーのプレゼント
つっても、もう過ぎてるけどな…遅くなってごめんな」
「これ、絶対高いやつ…重みが違うんだけど…
バレンタインにあげたのクッキーだよ？貰えない」
母さんの顔はうる覚え
うる覚えの中に優しい笑顔があって、胸元にキラッと光ってるネックレスは覚えてる
父さんが話してくれた事があった
赤ちゃんだった俺は母のネックレスに興味を示しよく触っていたと、そのネックレスは父さんが母さんに一番最初にプレゼントしたものらしい
息を引き取る時までずっとしていた
棺に入れようかと思ったらしいが、形見にと今でも大事に仕舞われてある
真似する訳じゃないけど…子供心にも自分も大切な人ができた時、一番最初にプレゼントするのはネックレスがいいって思った
意外と乙女だねって言われるのが目に見えているから、言うつもりねぇけど
「A、貰って」
「ありがとう」
こんなに喜んでくれるなら小遣い貯めててよかったと本当に思う
「ネックレスだぁ、かわいい！」
つけてと髪をはひとまとめにして横に流す
その仕草を見ていたら喉がゴクリと動いてしまった
金具が小さくて苦戦しながらAの首につけた
鏡を見ながらニコニコしてる姿を見ると俺も嬉しくなった
「似合ってんじゃん」
「ありがとう、一也なにか欲しいものない？」
「ん？A」
そうじゃなくてと顔を赤らめた
俺が欲しいのなんてたったの2つなんだ
全国制覇の称号とA
どっちも手に入れる為にはまだ努力しなくちゃいけないことなんて山ほどある
まずはこのニブチンの意識改革をしなきゃダメそうだな
「今はこれで手を打っとくよ」
引き寄せて柔らかな頬にキスを落とした
真っ赤になったAが可愛い
照れて女の子の顔してる
こんな顔すんだな
またひとつ、知らなかった部分を発見した
俺が知らないAをもっともっと見せて欲しくなった
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作者名：彩葉 | 作成日時：2021年6月17日 20時
