近くて遠い ④【ダイヤのA】 (ページ11)

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今年のイベントは残すのは冬合宿とクリスマス

12月23日から冬合宿はスタートした
先輩達も手伝いに来てくれた
サーキットトレーニング
素振り
内外野のノック
哲さんは相変わらずノックは下手っぴだった
バッティングにランメニュー

これが地獄だ
重りを持って終わりの見えないランニング
いくら冬といってもこれはキツい
選手の身体からは湯気が立ち上ってる

夕食を済ませてからは各班に別れてウエイトとロングティ
23時にはみんな気を失ったかのように眠る

起床は5時半
日に日に隈がひどくなっていくんだよな

25日には3年生も呼んでクリスマスパーティ
つかの間の休息だ
一也が張り切ってローストキチンを焼いてくれた
一也の作るご飯はやっぱり美味しい
昨日から仕込んでたらしい

センバツで使ってもらいたくてバッティンググローブを一也へのクリスマスプレゼントにした

一也からは保湿効果の高いリップクリーム
冬のグラウンドでは唇がすぐに荒れてしまうからありがたい
部員全員からとマネージャー達にハンドクリームを貰った
手荒れもしていたからありがたく使わせて貰う

合宿後半になってくるとだんだんと口数も減ってくる
でも励ましあって脱落者なし
3年生からの拍手を貰って12月30日
冬合宿は終了した

「お疲れ様」

「もう二度とやりたくねぇ…
つうか、A声、ガラガラじゃねぇか」

「いっぱい叫んだからねぇ
寒さで喉やられたかも」

一也がくれたのど飴を舐めながら久しぶりに地元に帰る
商店街を歩くといろんな人から声をかけられる一也
おめでとうとかテレビで見てたよとか

果物屋のおばちゃんはどっさりみかんをくれた
他にもこれもあれもって両手にいっぱい
肉屋のおじさんは揚げたてのコロッケを私の分までくれるし

センバツはまだなのに、すっかり地元のアイドル化している一也

センバツで大活躍でもしたらどうなるのかな？
活躍してもらわなきゃ困るんだけど…

今年も苦戦している階段を一也を押して登りきった