【あんスタ】オタクですが何か？〜３〜

オタク度 １３２％ ページ32

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保健室登校とはいえ、私だってプロデューサー。



衣装や、次のイベントの企画書を作ったりしている。



今も、たった一人の静かな保健室で、衣装を作成しながら、グラウンドで体育をやっているクラスメイトを見ていた。



(いいな、楽しそう)



遠巻きに見つめているうちに、少し寂しくなってきたから、イヤホンの付いたiPodを取り出すと、適当に音楽を流し、作業に集中する。



途中で、KnightsやTrickstarの曲が流れてくると、無意識に口ずさんでいた。



一通り、キリのいいところで手を休めると、いつの間にか椚先生が保健室のドアの所に立っていた。



「うわぁっ！先生いたんですか！？」



「そんなに驚かないで下さい。私はただ、貴方の様子を見に来ただけですよ。そしたら、貴方が歌っていたので」



「だ、ダメでしたか？」



「いえ。相変わらず綺麗な声をしてるなと思いながら聴いてましたよ」



「……ありがとうございます」



この先生が褒めるところを、私は今初めて見たかもしれない。



……何か、むず痒い。



「確か貴方、あのドリームプロダクションからスカウトが来てましたよね？」



「はい。でも、まだ迷ってて」



「なら、引き受けてはどうでしょう。何事も挑戦ですし、貴方にはアーティストとしての才能が充分あります」



何故周りの人は、そう言いきれるのか分からない。



けど、私の中にあったモヤモヤが無くなって、胸の内がスッキリした。

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