【銀魂】 おしのび恋愛 弐 【神威】

くのご ページ6

「お、お久しぶりです」

「心配したのよ、バカッ！」



会ってそうそう、頭をはたかれた。

痛い。


猿飛先輩の落とした買い物袋を拾って手渡せば、もう一度バカと罵られる。

私は別にドＭではないから嬉しくはないのだが。



「簡単な依頼のはずなのに全然戻ってこないって、全蔵ですら心配してたわ」

「す、すみません」



どれくらい経ったのかと聞いてみれば、何を言ってるんだと言うような顔をしながらもあれから二ヵ月近く立っていたらしい。

宇宙に居たが故、時間感覚が完全にマヒしてしまっているようだ。



「詳しく話を聞きたいところだけど・・とりあえず、全蔵のところに行ってきなさい。今日九時、いつもの店に来て。伝えたいこともあるから」



眼鏡をカチャリとかけなおした猿飛先輩。

二ヵ月会わなかっただけだが、少し太った気が・・



「うわッ、何するんですか」

「失礼なこと思ったでしょ」


「エスパーですか！？」



クナイを投げられ、足元をかすめた。

中身は全く変わっていないようだ。


落とした袋の中身を少し覗けば、手錠やらムチやら鎖やらが見えた。

何に使うんだ。



「ほら、早く行きなさい」



ボケッと猿飛先輩の姿を見送ろうとすれば、そう促され、私も踵を返した。



頭にドヤされるんだろうなと思えば、少し気が重い。

くのろく→←くのよん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す