【銀魂】 おしのび恋愛 弐 【神威】

くのよん ページ5

今日は神威は裏で手を組んでいるという幕府官僚との食事らしい。



「・・江戸も落ちたものね」



そんな情報は春雨に居る私には容易く入ってくることであり、官僚という立場にありながら、所謂犯罪組織と手を組んでいるなんて・・聞いて呆れる。


阿伏兎も今日は神威が粗相をしでかさないように、ついていくらしい。


結果、私は完全フリー。

更には昨日と同じく警備なし。自由に外へ出られるのだ。



これは・・


「帰るチャンスじゃない」



唐突に舞い降りた大チャンスに、それを逃すはずもない。

他の隊員に怪しまれない程度の荷物をまとめ、外に出れば人込みに紛れることができた。



・・実に呆気ない。

私としては、逃げるにも戦闘になるかと思っていたものなのだが追ってくるものも今の所は見えない。



吉原には何度か足を運んだことがあるから、地上への道もわかる。



振り返れば、昨日まで止まっていた春雨の拠点。

ちらつく神威の顔と言葉を振り払いながら、念のため身を隠しながら地上への道を駆け上がる。




・


「・・ッかぶき、ちょうッ」



そこからまっすぐに向かったのはかぶき町。

日差しが照り、夜兎に扮するために身に着けたマントがべったりと張りつく。


肩で息をしながら、久しぶりに見る団子やのベンチに腰をかけて息を整えていれば、前からバサリとものを落とす音が聞こえ、思わずそこに目を配った。



「・・A？」



買い物袋を地面に落とし、目を見開いた久しく見るその人




「猿飛先輩ッ！！！」

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