俺のカノジョ、めがみ【三ツ谷隆】

＊ ページ34

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『ごめんなさい…。』



「ほんと、気をつけろよ？危ねぇからな。」




Aに怪我はなかったが、

破片で傷つけるわけにはいかないから
割れたコップは俺が片付けた。




「どうしたんだよ、やっぱ何かあったろ。」



『ほぁ！？何もないよ！？』




明らかにあっただろ。動揺がすごいぞ。




『それより！早く観よう？』




腕を引っ張りソファに連れていかれる。



なんかはぐらかされてんなぁ。

ま、Aが自分から教えてくれるまで待つか。














『ひゃ…うしろ…。』




映画の中盤、
言っていた怖いシーンであろう所に入った。


主人公の女子高生。
その後ろに様子がおかしい女が来る。



ソファで膝を抱えながら観ているA。


ちょっとゆらゆらしてて、かわいい。




ナイフを持った女が主人公に襲いかかる。




『ひゃああぁぁやめてやめてっ！！！』

「うおっ！？」




いきなり、視界いっぱいにA。



うん、すげぇ勢いで抱き着かれた。


脚まで使われてますけど。


ほぼ乗られてんぞ。うわいい匂いする。





『危ないよぉ…捨てなよばかぁ…！』



「…そうだなっ、危ねぇもんなっ、ふふっ…」



『笑わないでよ！こわいでしょ！？』



「おー、怖ぇ怖ぇ。」








映画の内容は元々恋愛系だったみたいだ。


噂の怖いシーンというのは、

恨みを持った元カノが、
元カレの現在の想い人である主人公に
襲いかかってくるというものだった。




どんな映画だよ。監督誰だよ。




というか、想像してた怖さと全然違ったわ。




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