堕天王サリエル×深青 ページ4
空を仰ぐ。青く澄んでいて、我の心の臓を貫くような輝きをしている。我は意味もなく叫びたくなる。神とはなんだ。正義とはなんだ、と。
この世界はすべて間違っている!!!! 堕ちるところまで堕ちてしまえ、救いなどは存在しないのだ!
固定観念は心の中から取り去ってしまえ。天の王であろうが、聖天使であろうが、我のような堕天使であろうが! 結局のところ、誰も救いなどはもたらせないのだ!
神の真似事をしてみたことはある。だが見てみよ、この地上には汚れが満ち溢れ、救いなど一片も存在していないではないか……。
下手な芝居など打っても、誰も救われないのだ。……我は、希望などもう持たぬ。
ヒトの想いは相変わらず、我のもとまで聞こえてくる。堕天を選んだ我にもまだ、天使としての力が残っているらしい。
けれどヒトの想いはいつの間にか、深く黒く、重いものに変わってしまっている。いつの時からか地上に流れる音楽は、嘘や偽りで固まってしまっている。我からすれば堕ちていくままのソレは喜ばしいことのはずなのに、どうしてか、嫌になってしまう。
ヒトとは愚かしくも美しい存在ではなかったのだろうか? 凡庸な言葉など、我は聞きたくもないのに。
違うと訴えたところで、ヒトはまた我の望む闇に堕ちていく。空の青色と同じだけの純真さを持ち合わせたまま、我のことをおいていくのだ。
我はまた、空を仰ぐしかない。
時は弱き者を淘汰していく。いつしか感情すら廃していく愚かな光王は我にはもう意味もない。廃れようが流行ろうがどうでもいい。
我はただ、堕天を促すだけだ。
所詮天使は神の紛い物だ。我は堕天しそこから外れたとはいえ、結局のところ、我はまだまだ天使の理の中にいるのだ。
未来など、我にはもう要らないのに。
ヒトが嫌いなわけではない。偽りを愛しているわけではない。気付かないまま忘れた希望も、捨てたように見せかけた未来の展望も、本当はすべて貴様らのものなのだ。本当は……。
嘘など、もう我に見せないでくれ。
我が抱いたのは歪んだ愛情、劣等感。ヒトの未来に、我の姿を重ねていたのだ、本当は。
結局、我は自分を肯定したかっただけなのだ。
否定に意味はなく、我はただ堕ち行く世界を眺める。それでいい。いいはずなのに……。
「堕ちるがいい、すべて! 終焉だ!」
我はただ、また、世界の終焉を待つだけなのだ。
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オレンジジュース(プロフ) - ありがとうございます! (2018年10月24日 6時) (レス) id: ea02e12f92 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジジュース(プロフ) - 666さん» 了解!ありがとうございます! (2018年10月23日 17時) (レス) id: ea02e12f92 (このIDを非表示/違反報告)
666(プロフ) - オレンジジュースさん» 大丈夫です。フルドフォルクでポッピッポーですね、しばらくお待ちください。 (2018年10月23日 17時) (レス) id: 767ab3e6a9 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジジュース(プロフ) - 666さん» ところで、リクエストでポッピッポーをお願い出来ますか?キャラはフルドフォルクくんで大丈夫ですか? (2018年10月23日 17時) (レス) id: ea02e12f92 (このIDを非表示/違反報告)
666(プロフ) - オレンジジュースさん» 閲覧・コメントありがとうございます。 (2018年10月23日 17時) (レス) id: 767ab3e6a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:666 | 作成日時:2018年10月22日 16時