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ーその日の放課後にてー
3人は雑談に花をさかせていた
「そういや知ってっか？
学校の近くにあるあの山にはな、
めっちゃ可愛いコスプレイヤーさんが
毎日撮影してるらしいぜ！」
「は？あそこ私有地だろ？
なんで撮影できてんだよ」
「あれだ！
私有地持ってる人の身内なんだろ」
「なんのコスプレなんだよ」
「わかんねーけどピンクピンクしてるらしい」
「さっきかららしいばっかじゃねぇか」
「う、噂程度なんだからしょうがないだろ！」
「で？それを見に行こうってことか？」
「そう！！結構可愛いらしいぜ？
一目でいいから見てみようや」
「でも俺テス勉が…」
「行こう！！」
「わーったわーったよ」
人志は矢葉兎の勢いに負けてしまった
「心治己は？」
「俺は…いいよ。受験に備えたいし」
「んだよびびってんのー？このチキンめ〜」
「なんとでも言え」
「つまんねえの」
「でも俺ら心治己がいないと
何するかわかんねぇよ？」
「イラついて犯罪起こすかも…」
「そしたら…」
「「きゃー！！」」
2人は心治己を煽って
そうなることを望んでいる
「分かった着いていけばいいんだろ！！」
「よし！」
「決まりだな！じゃあ行こうぜ！！」
「はぁ」
山への道を上がればそこは木々が憚る世界
「本当にコスプレイヤーなんていんのかよ」
人志は疑いの目を蔓延らせ
「つかなんか悪寒…？がしない？」
矢葉兎は冗談なのかニヤつきながら何を呟く
「ほらもういいだろ、帰るぞ」
心治己は帰ろうと急かしている
「やっぱチキン…」
「…怪我しても怒られても知らないからな」
「「は〜い♪」」
心治己はチキンという言葉に引っ掛かる様だ
「にしてもどこで…ぁ」
「見つけたのか！？」
「ちがっ、あれ…」
「あれ？」
指に指されたのは空気だった
「なにもいないじゃん」
「冗談やめろよ？」
「こういうのってパターン的に後ろが…」
「いや、やめ…」
「あのねぇ、こういうのは」
人志は何も怖がらず振り返る
「ほら、なんもいない」
「ホントか？」
「ほんとほんと」
「じゃあ、行くか…」
「「せーの…」」
合図に合わせて振り向いても
そこには自分達が来た道しかなかった
ほっと胸を撫で下ろした
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作者名：僕っ子くん | 作成日時：2023年12月15日 8時
