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「A」
少し離れたところからも夏油さんは私に気付いて手を振ってくれた。
胸の辺りにぶわっと熱い気持ちが上がってくるが、それを落ち着けて正面に立つ。
「なんで2日連続で来たんですか。夏油さんが面白がれるようなことはもう何も無いですよ」
「理由がないと、来ては行けないのかい？」
「そっ…んなことは、ないです、けど」
会えて嬉しい、という気持ちが空回りして、思っても無い言葉が口から出る。
言葉を詰まらせて、語尾が萎む。ああ、これもまた笑われてしまうんだろうな。
そう思って目の前の彼を見上げると、珍しくそこには面白がるような笑みは無かった。
「理由ならあるよ、君が上手く呪力を制御できているかどうか様子を見に来たんだ」
「…そうですか」
所詮夏油さんの興味は、私じゃなくて私の呪術なのだろう。
でも一方通行なこの気持ちから逃げるのはもうやめると決めたのだから、気が済むまで抱えてやろう。
「もしかして、君に会いたかったから、って言って欲しかった？」
「っそんなんじゃないです」
「安心して？Aに会いたいっていう純粋な気持ちが大前提で会いに来ているんだからさ」
「………どうだか」
いつまで経っても、いつものように面白がって笑うような様子は何故か見られない。
代わりに、柔らかく細めた目の奥に温かいものを感じる。勘違いでは無いと思うし、あわよくば勘違いでありませんように、と思ってしまう。
じゃあさっそく行こうか、と夏油さんはまた私の腰を引き寄せた。彼がこういう人だと自分に言い聞かせるも、胸の鼓動は治まる気配を見せない。
周りの生徒からの視線が刺さるけど、今はそれどころではない。
「ところで、さっき君と居た男は誰なんだい？」
「男？ああ、私の友達です。私にもちゃんといるんですよ、1人だけど」
「本当にただの友人？」
「…失礼ですね。昨日のアレで反省したと思ってましたけど、そうでもないんですね」
「え、あ、そんなつもりじゃないよ、昨日のはちゃんと反省してるから」
「じゃあどんなつもりだったらそんな言葉が出てくるんですか」
相変わらず揶揄ってくる性格の悪さには、思わずしかめっ面でそっぽを向いてしまう。
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ユコ(プロフ) - 緑の白猫さん» 展開スピードは自分の中で1番心配していた所なので、そう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございます (2021年3月1日 21時) (
レス) id: cf63eb9bb2 (このIDを非表示/違反報告)
緑の白猫 - 展開やストーリー構成が急展開過ぎず、読んでいてとても心地良かったです。 (2021年3月1日 15時) (レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
ユコ(プロフ) - 五条と夏油はイニシャル一緒さん» ありがとうございます！私もげとーさん好きなので頑張りますね^^ (2021年1月24日 7時) (レス) id: cf63eb9bb2 (このIDを非表示/違反報告)
五条と夏油はイニシャル一緒 - 面白いですー！夏油さん好きなので嬉しいです、応援してます！ (2021年1月24日 1時) (レス) id: f43ac37e04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユコ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時：2021年1月19日 12時
