二百五、千日の功名一夜に亡ぶ ページ5
.
沈黙より静かな空間が流れる中、母上はそれをモロともせずに続ける
晶「…あら、皆様ご存知なかったの?まあ知らなくて当たり前でしょうね。
元遊女だと知っていたら、誰とも知れない相手と幾度となく床を共にしたこんな
もう、“やめろ”とは、言わなかった
言えなかった
晶「…それでも私はAが、娘が大切なのです。一度は手放しましたが、家の為とはいえやってはいけないことだったと深く後悔しました…
それで決めたのです。いつかAを迎えに行こう、と。その時私には今とは違う夫が居りましたが、無い貯金を切り崩して女遊びを始めたので離縁致しましたの」
その涙ちょちょぎれる良いお話が、私には全て嘘に聞こえて笑えてくる
本当に笑いはしないし、売られたのは事実だけれど
晶「そんなこんなで時は過ぎ、悲しみに明け暮れる私を支えてくれた今の夫と結婚致しました。
しかし、こちらでの生活にも慣れたある日、彼女が吉原から逃げ出した、との知らせを受けましてね、私共の方でも探しておりました。そしてあの新聞の写真を見つけたのです」
沖「砂党を検挙した時の、ですねィ」
晶「ええ。
あそこに小さく映った姿を見て確信しましたの。間違いない、あの子だって。大切な我が子だと」
そう言い切り涙を拭うと、急に姿勢を正して近藤さん達に向き合った
……そして、勢いよく土下座をかました
晶「どうか、お願いです。タダで済まない事だとは本人も分かっておるでしょうし、私たちから、大事な娘を奪わないでください…!」
朋「私からもお願いします…やっと会えた大事な姉上なのです…」
頭を床につけたまま、二人は動かない
近「そんな…上げてください!貴女方の頭はそんなに軽いものでは無いですから!」
晶「お願い致します!お金が必要でしたら幾らでも払いましょう!どうか…!」
沖「でも何も無かったことには出来やせんよ」
晶「分かっております!うちで引き取って二度と世には出しません!約束致しましょう」
血眼になって床に額を擦り付ける二人
そして…土方さんが口を開いた
土「確かに、こっち側に証拠はあるが実際に手を降したのはこいつじゃねえし、立件するには不十分だ。極刑にはできんだろう。
………勝手にしろ。但し、さっき言ったとおり、二度と誰にも合わせるな」
140人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紗夜(プロフ) - 続きが読みたいです、更新待ってます (3月4日 13時) (レス) @page31 id: da0a6c0476 (このIDを非表示/違反報告)
ユコ(プロフ) - サクラさん» 返信が大変遅くなってしまい申し訳ないですが、まずは感想ありがとうございます!更新します詐欺常習犯ですが、今年中に続きを書き進めたいとは思っているので、もう暫くお待ちください、、、! (2020年12月21日 1時) (レス) id: cf63eb9bb2 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 作品終わっちゃってるけどめっちゃ面白いし感動します!続きが見たくて見たくて仕方ありません、、。更新まってます。。。。 (2020年3月11日 18時) (レス) id: 319352fe0b (このIDを非表示/違反報告)
ユコ(プロフ) - 雪月花のとびうおさん» 初めまして。返信が遅れてごめんなさい。ほんとですか!泣いていただけて嬉しいです!亀更新ですが頑張りますのでこれからもよろしくお願いします(。・ω・。) (2019年12月11日 22時) (レス) id: d899cb3249 (このIDを非表示/違反報告)
雪月花のとびうお(プロフ) - 突然ですみません、初めまして。こちらの作品を見付け、一気に読んでしまいました!!とても面白いです!!最新更新の辺りの話、泣いてしまいました…。更新、心よりお待ちしております…!! (2019年12月7日 22時) (レス) id: b36649e14a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時:2019年10月3日 1時