百八拾五、誤認 ページ35
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「だっ……大丈夫?」
いたたた、と軽く頭をさする彼女に駆け寄った
?「ってぇな……誰でィ。廊下走りやがってんのは」
「…あ、」
同じように転んでいたのは
「なんだ総悟か…」
沖「なんだって何でィ。こちとら被害者ですよ。あー、痛いよー、右手が痛いよー。これじゃ筆持てないから書類まとめれやせーん。ってことで俺は半休もらいやすおやすみなさい」
「何言ってんの。始末書溜まってる___ 」
総悟とのいつものような掛け合いは、彼の後ろに意識を取られて終わった
「………土方さんも、居たの」
土「…」
彼は虚をつかれたように動かず、ただこちらを見ていた
いや、見ていたのは私の隣
土「…その着物」
そのたった五音で酷く狼狽えた私は、慌てて目をそらした
「これは…朋ちゃんが着たいって___ 」
朋「私が着たいって言ったら
「っ!あげるだなんて、そんなこと」
言ってない
言うはずがない
そうじゃない!と土方さんに目で訴えるが、彼は目を伏せていた
その顔が何処か悲しそうに思えたのは私の気の所為なのか
土「………いいんじゃねぇか」
朋「え〜ほんとですか〜!」
キャッキャと喜ぶ朋ちゃんを他所に、こちらに背を向けて歩き出す土方さん
土「A」
「………はい」
土「折角来てもらったんだ。屯所内案内してやれ。仕事は後でいい」
「…わかりました」
土方さんのあの表情と一言一言に何だか胸が痛くなり、自然と敬語になってしまう
沖「………今のは、流石にやばかったと思いやすぜ」
「…後でちゃんと話してくる」
そんな会話をする私達を朋ちゃんが見ていたことに、私は気付いていなかった
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作者名:ユコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時:2018年3月27日 3時