百八拾六、見廻りという名の逃げ ページ36
.
朋「お姉さま何処へ行くの?」
「見回り」
晶「なんで?昨日もそうだったじゃないの」
「たまたま当番が集中してるだけです」
あれから数日が過ぎた
母上と朋ちゃんは見回りと会議以外、何処に行くにも何をするにも着いてくる
何がそんなに面白いのかわからないけど、本人達はそうさせてくれ、と近藤さんに頼んだらしい
二人共もう女中さんたちと仲良くなっているみたいだし、特に朋ちゃんは若くてそこらの女の子より顔が整っているからか隊士達に可愛がられている
とりあえず、もうここの空気に馴染んだらしい
「…そういうことで、ここで待っててください。くれぐれも隊士の仕事の邪魔はしないで下さい」
晶「毎回言われないでも分かってるわよ。そんなに私たちのことが信用ならないのかしら」
「そうじゃ………」
いつもこう
何か言えば自分たちのことをよく思ってないんじゃないかと疑ってくる
もういいです、と言ってその場を去り、見回りに出た
あれ、今回は誰かと組まされてたんだっけ
沖「先行かねぇで下せェよ。久々にAさんと組めるから待ってたっていうのに」
「…ごめん」
総悟と肩を並べて歩き出すと何処かぎこちなさそうな彼に、私は少し大げさにため息をついた
「何。聞きたいことがあるなら聞いて。気を使うようなキャラじゃないでしょう、あんた」
沖「…じゃあ聞きやすけど」
デリカシーのない総悟のことだから今回もズケズケと聞いてくるのかと思ったらそうでもないようで
こんなところで気をつかってないでもっと他のところで使えばいいのに
沖「Aさんはお母さんと妹が嫌いなんですかィ?」
「嫌いじゃない。大嫌い」
沖「隠さないんですねィ」
隠したところであんたには簡単に見破られそうだから、と鼻で笑ってやる
「戻ったら息が詰まるから今くらい息させて」
沖「やたら引っ付いてやすよね」
「それに隊士にやたら媚売ってるし近藤さんなんて鼻の下伸びてるし」
沖「気持ちは察しやす」
「嘘つけ」
相当毒づいてるのは自分でもわかるけど、総悟でも誰でもいいから今は私のはけ口になっててほしい
113人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時:2018年3月27日 3時