百七拾七、ミーハー野郎共 ページ27
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はっとすると、私と土方さんのサシの対決にいつの間にかギャラリーが出来ていたらしい
その中には近藤さんや総悟まで居て
「ねえ、今のどういう_____ 」
近「すげぇぞ!トシをあそこまで追い詰められる奴なんて殆どいねぇってのに!」
近藤さんにわしゃわしゃと頭を撫でられて、その隙に土方さんはその場を離れていた
荒い息にため息を挟んで、タオルで顔を拭う
近「やっぱり強ぇなあ!」
「別に…たまたまです。私は強くなんてない」
背後では私たちに感化されたのか、数名の隊士が勝負を始め、木刀の小気味よい音が幾つも聞こえてくる
それを見た総悟が、次は俺と、と持ちかけてきたけれど、疲れたことを理由にその場を立ち去った
その足で向かうのは無論、土方さんの部屋
でも、肝心の本人は不在で
「何処に行ったの…」
そんなことを言いながら屯所中を何周も
いつも思うけれど、ここは本当に広すぎる
こんなに探して見つからないってことは、絶対何処かで行き違いになってるだろうな
と、曲がり角で走ってきた隊士達とぶつかりかけた
隊士「あ!すみませんAさん!」
隊士「すみません!ほら急げよ!帰っちまうかもしれねえだろ!」
隊士「わっわかった!」
会話から察するに、お客か何かがうちに来てるらしい
「…誰か来てるの?」
隊士「ええ、Aさん聞いてません?可愛い娘とその母親が来てるって」
「聞いてないけど…そうなのね」
うちに用があるということは、事件とか被害とか多分そういう類いなんだろう
よくそういう人が来るから特には気にしてない
けどその二人以外にも何人もの隊士とすれ違った
その中にはさっきまで武道場に居たやつもいっぱい居た
みんな揃って口にすることは同じ
“可愛い娘さんが来てる”と
所詮みんなミーハーだから仕方が無いのだろうけど
そんなに綺麗な人なら興味が湧かないわけでもない
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作者名:ユコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時:2018年3月27日 3時