百七拾六、嫌いなタイプ ページ26
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何十手交わしたのか、もしかしたらその数は三桁を超えているかもしれない
お互いに肩で息をつきながら、その汗を袖で拭う
ブラウスが肌にひっついて心地は悪いが、
少し距離を置くと、自然と口角が上がった
土「…何笑ってやがる。まだ余裕だってか?」
「そんなんじゃない。そんなんじゃないけど」
何ていうか…物凄く楽しい
総悟よりもいい勝負にはなっているし、こんなに長いこと誰かと合わせ続けられたことはない
ワクワクするでしょう?何処まで続くのか
土「お前変わってるよな」
「マヨネーズ依存症に言われたくはない」
土「俺はいいんだよ、俺は」
「自分のことを棚に上げるタイプの人、三番目に嫌い」
土「二位と一位は何だよ」
姿勢を整え直した土方さんは、呆れた顔でこっちに木刀を向ける
「二位は自分。一位は___ 」
言い終わる前に距離を詰められ、開いた瞳孔がすぐ目の前に
考える間もなく反射ではじき、カンッという乾いた音がまた響き出す
「………両親」
一瞬胸がキュッと苦しくなって、誤魔化すように小さく笑ってみせた途端、土方さんの力が一瞬だけ弱まった
土「うおっ?!」
もらったとばかりに足をかけると、彼は簡単に後ろへ転ける
ダン、とお互いに衝撃が走った後、私の木刀の先は土方さんの喉元を突きつけようとしていた
そして土方さんの木刀も、私の首に添えられていた
土「…お前、何焦ってんだ」
「………何のこと」
土「恍けんな」
見てりゃ分かるよ
土方さんが言うのと同時に、わぁぁという歓声が辺りに響いた
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作者名:ユコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時:2018年3月27日 3時