1話 パイオニア・アイドル *修正 ページ6
佐江「―――――A起きて……じゃないやあっちゃんだ。気抜くとAって呼んじゃうな。気を付けないと…」
才加「佐江とあっちゃんは同期で長い付き合いだからね。最近まで名前で呼んでたんだから仕方ないさ」
優子「私達が襲名したての頃も同じことあったもんね。おーいあっちゃん起きて〜」
Aの閉じられていた瞼が開き、意識が浮上する。まだぼやけた意識で周りを見ると、強襲ステージ艦フライングゲットのレッスン室にいた。壁際に寄りかかり、眠っていたのだ。目の前にAを呼んでいたメンバーがしゃがんでいる。
A「…佐江」
同期の76期研究生だった陽子こと佐江である。佐江はにこりと笑った。
佐「いつの間にか姿見えなくなったけどやっぱ自主練してたんだ。今日は自分の故郷でのライブだもんね、いつも以上に気合入るのはわかるけどやりすぎないでね。やりすぎて疲れちゃ本番最後まで踊れないよ」
A「…うん。もうやめとく」
Aは頷いた。
現在、AKB0048は芸能防衛権のある熱海星に公演に訪れていた。第一部は研究生公演で、二部の本公演がAの凱旋ライブになっている。Aは熱海星出身なのだ。
研究生お披露目公演を終えた後、彼女達は実力を認められ専用劇場で研究生公演が行われるようになった。新たな研究生、77期生は加入してから半年足らずでキララを生み出し輝かしたことで”黄金世代”との声が上がっている。
76期生もあまり人気がなかったが、後輩が入ってきてから触発され実力をつけていき、人気を盛り返している。名前が以前より知られるようになって喜んでいた。
Aも嬉しかったが、今の自分は襲名メンバーとして活動しているので以前より一緒にいられる時間が少ない。それが寂しかった。
優「あっちゃん、おはよ」
さ「ぐっすり眠ってたけどかなり練習してたんでしょ。佐江が何度呼んでも起きなかったよ」
佐江の背後に立つ茶髪の少女、優子が笑って八重歯を見せる。隣に立つ長身の美女は佐江の相方さやかだ。Aは慌てて立ち上がり姿勢を正す。
A「優子さん、さやかさん。おはようございます。すいません、だらしないとこ見せて…」
優「別にだらしなくないって。疲れる位練習めちゃくちゃしたんでしょ。いーことじゃん。
…ていうかもう同じ襲名メンバーなんだからさん付けなくていいって言ってるのに〜。今だに敬語だし〜。態度も固いし〜」
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作者名:空 | 作者ホームページ:http://id38.fm-p.jp/213/7772010/
作成日時:2021年5月29日 12時