普通じゃない.20 ページ22
｢…Aさん…？｣
不審に思ったカラ松さんが立ち上がって私の顔を覗き込む。
｢…カラ松さん…そのお金…｣
カラ松さんの傍にあった銀色のケース。
さっきからおじさんに突きつけていたもの。
｢あ、あぁ…。…働いたんだ。お店を潰さないためにはお金がいるって聞いて。……足りなかったらしいけど｣
カッコ悪いな俺。と自嘲するカラ松さん。
｢…赤い薔薇と、…ひまわり｣
視線を背けて情けなさそうにするカラ松さん動きが止まった。
少し間が空いてカラ松さんが言葉を紡いだ。
｢……弟達に言われたんだ。見舞いに真っ赤な薔薇なんてバカじゃないかって。…だから、今日朝から必死になって近所に咲いている花を探した。
……そしたらひまわりがあった。それを見た瞬間これだって思った。ひまわりを見てたら思い出す。
…笑顔のAさんの顔が｣
そう言ってくれたカラ松さん。
何故だか少し穏やかな、でも悲しそうに笑っていた。
｢……うそ…｣
｢…え…？｣
｢…そんな…カラ松さんにそんな必死になってまで私は何もしてあげられてない｣
｢だから言ったはずだ。俺にとってもこの場所は大切な場所で…、君が悲しんでいるなら、俺は…｣
｢嘘です…！それだけじゃない…｣
私が強く言えば、押し黙ったカラ松さん。
何秒か考えるように視線を下げた。
その後、小さい言葉が聞こえた。
｢…俺、あれから考えたんだ｣
｢…あれからって…？｣
｢…Aさんに、大切な人が失われる気持ち、分からないって…｣
小さな声だった。
でも確実に私に届いた。
あの時は頭も気持ちも混乱していて、カラ松さんに酷いことを言ってしまったと思う。
ずっと気になっていた。
あの時のことを思い出す度に、私の心はチクリと何度も傷んだ。
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尾っぽ(プロフ) - skm130さん» わわ！お返事遅くなってすみません！こんな作品のためにお時間割いて下さりありがとうございます！またいつでもコメントしてくださると嬉しいです^_^︎ (8月21日 22時) (
レス) id: 96e7b68837 (このIDを非表示/違反報告)
skm130(プロフ) - こんなに素敵な作品と素晴らしい時間をありがとうございました。この作品が大好きです。コメント失礼しました。 (2019年5月5日 0時) (レス) id: d6899efe03 (このIDを非表示/違反報告)
尾っぽ(プロフ) - リカさん» まじですか！？！？！まじですか！？！？！うわぁぁぁほんとに嬉しいです泣、、私からしたらあなた様がお優しすぎて神です…これからもご期待に応えれるように頑張りたいと思います…！！ (2019年2月20日 23時) (レス) id: 4b3d387825 (このIDを非表示/違反報告)
尾っぽ(プロフ) - milkyさん» ええええ！！！私も幸せになって欲しいと思いながら書きましたが、泣いていただけるなんて嬉しすぎて私が泣きそうです(なぜ)こちらこそありがとうございますぅぅ…！！ (2019年2月20日 23時) (レス) id: 4b3d387825 (このIDを非表示/違反報告)
リカ - わあああ……こんなに泣いた小説初めてです……ほんとに作者様神すぎて……神作品でした！これからも応援しますっ！頑張ってください！！ (2018年2月26日 2時) (レス) id: aa7e1fa533 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：尾っぽ | 作成日時：2016年6月21日 23時
