普通じゃない.15 ページ17
｢………｣
よし。と心の中で意気込んだ。
目の前にある真っ赤な薔薇。それは昨日もらった花束である。
今日も病気に行く前に朝から水を入れ替えて玄関先に飾る。
｢…行ってきます｣
いつも病院に行く前は未だに現実を受け止めきれていなくて憂鬱だった心も、あの薔薇の花をみると何故だか少し、紛れることができた。
今日は病院に行く道中、私も新しいお花を買ってみた。気分を変えるために。心を入れ替えるために。
今まではこんなことなかったのに。赤い薔薇ってすごいな…としみじみ思いながら、目的地に辿り着く。
受付のお姉さんに軽く挨拶をした時に見えた時計では、既にお昼前を指していた。
お花屋さんでお花選ぶのに時間掛かりすぎちゃったな。
病室に入ると、おばあちゃんは変わらず眠ったまま。ベッドの布団を優しく掛け直して状態を確認する。息はしているし、呼吸も安定だ。
分かると安心してベッド脇の花瓶に手をかけると、ふと見慣れない花に目がいった。
｢……あれ……？｣
確かに、私が知っているのは前におそ松さんたちがくれたオレンジ色のガーベラの花だけ。
毎日来ている私が気付かなかったなんてことはない。
じゃあこれは今日私が来る前に…？
一体誰が…。
花瓶にも入っていなくて、しかもお花屋さんで買ったような包みではない。
そのままそこら辺から摘んできたかのように新聞紙に包まれた花束である。
｢……きれい｣
だけど、とても綺麗に咲いた黄色いひまわりのお花。
このまま放っておくわけにもいかず、先ほど来る前に買ってきた花瓶を用意して廊下にある水道へ向かった。
｢あ、入った…。…よし｣
大きなひまわりと私が買ってきたお花を生けると盛大な花瓶の出来上がりである。
何だかアンマッチだけどふと笑みがこぼれる。
｢あ、気に入りました？そのひまわり｣
花瓶を持ち病室へと戻ろうとした時に反対側から向かい合うように看護師さんがやってきた。
｢いらしてたんですね。丁度よかった｣
｢私達も今からそのひまわりを生けてあげようとしていたところだったんです｣
そう言ってくれた看護師さん2人は、つい先日、赤い薔薇を受け取った看護師さんだった。
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尾っぽ(プロフ) - skm130さん» わわ！お返事遅くなってすみません！こんな作品のためにお時間割いて下さりありがとうございます！またいつでもコメントしてくださると嬉しいです^_^︎ (8月21日 22時) (
レス) id: 96e7b68837 (このIDを非表示/違反報告)
skm130(プロフ) - こんなに素敵な作品と素晴らしい時間をありがとうございました。この作品が大好きです。コメント失礼しました。 (2019年5月5日 0時) (レス) id: d6899efe03 (このIDを非表示/違反報告)
尾っぽ(プロフ) - リカさん» まじですか！？！？！まじですか！？！？！うわぁぁぁほんとに嬉しいです泣、、私からしたらあなた様がお優しすぎて神です…これからもご期待に応えれるように頑張りたいと思います…！！ (2019年2月20日 23時) (レス) id: 4b3d387825 (このIDを非表示/違反報告)
尾っぽ(プロフ) - milkyさん» ええええ！！！私も幸せになって欲しいと思いながら書きましたが、泣いていただけるなんて嬉しすぎて私が泣きそうです(なぜ)こちらこそありがとうございますぅぅ…！！ (2019年2月20日 23時) (レス) id: 4b3d387825 (このIDを非表示/違反報告)
リカ - わあああ……こんなに泣いた小説初めてです……ほんとに作者様神すぎて……神作品でした！これからも応援しますっ！頑張ってください！！ (2018年2月26日 2時) (レス) id: aa7e1fa533 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：尾っぽ | 作成日時：2016年6月21日 23時
