僕らの想い〜証VOL２.

63. ページ13

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始まってから３０分、全速力で逃げている状態が続いている。



「マジで小せぇ〜」

「食べちゃいたい」



(小さい言うな)



千「ひえぇ〜こっちへ来るんじゃね宏光、俺を巻き込むなぁ」

北「はっ？どさくさに紛れて人のこと呼びつけにしているんじゃねぇよ」

戸「今は、それどころじゃないだろ」



(ダダダッ、あり得ない、こんなの、ぜーったい)



北「あり得ねぇーっ、ダダダダダッ」



さすがに、全校生徒が参加となると厄介で。



「ここで捕まえれば俺のもの、頑張るぞぉ〜」



(頑張らなくていいから、はぁはぁ…くっ)

獲物を追う目つきは野生を越えていて、それほど迫力が半端ないってわけだけど。



北「冗談じゃね、捕まってたまるか」



あと、さっきから「姫、姫」なんて声が聞こえてくるが。

(もしかして逃亡者は、そう呼ばれているのか？)

だとしたらセンスの無さにビックリだ、もっとこうほら「勇者」とか言って欲しい。

(あれ？勇者って響きなんか好きかもしんねぇな)

姫なんて弱っちぃ呼び方より断然、勇者の方が強く偉大な感じがする。

って、呑気に考えてる余裕なんてねかったんだ。

「あっ」と我に返り、すぐさまケイドロ鬼ごっこに集中し。

すると向こうから見たことがあるシルエットが現れ、あれってまさか。



大倉「んっ？いたぁ〜姫えぇこっちへおいで一緒に遊ぼ」

北「うおっち!?」



副会長の大倉じゃん、なんか怪しげにニヤついている!?あんな奴だっけか。

ダダダダッ、初めの印象とはだいぶ違う雰囲気に俺は即行、逃げに入り。



大倉「なんで逃げんのや〜」



(その顔が怖いんだよ)

「わっ、どこへ行くんだよ俺を置いてかないで宏光うぅ」千賀の声が聞こえた気がした。



玉「ﾊｯ、あいつだ」

塚「玉森！」



(ﾊｧﾊｧ、はぁ、ここは地獄か、ちっ)



内「おや、人気者やなぁ」

北「うっ、お前は」



生徒会長の内 博貴、俺の唇を奪ったやつ。



内「どないや楽しいやろ？うちの歓迎会は、ふっ」

北「どこが」



キッと、その顔を睨みつける。



内「気に入らん？ならもうちょい楽しんでもらわんと」



(はっ？)

とたん、ドヤドヤと集まって来る生徒たち向こうが動き出すと同時に俺も走り出す。

(勘弁してくれ、もう…)


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