*おはようございます 【阿伏兎side】 ページ6
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「っ"……」
いい匂いによって起こされた俺は、見慣れない天井に数回目を瞬かせると、起き上がった………訳もなく、怪我をした痛みで再び布団に逆戻り。
「ここは、一体どこなのかねぇ……」
昨日は確か……久しぶりに地球にやってきたから、団長と一緒に食探しをしてる最中、天人狩りだとかなんとか言って、襲われて……
あれ、そっからの記憶がねぇ……
「……で、なんで、俺ァこんな格好してるんだか」
何故か、洋服が変わってることも何もかもが、頭の中で疑問になっているまま、頭をかいていると、頭上から何かが擦れる音と一緒に、小さく驚く声が。
「あぁ?」
「あっ……お、おはよう、ございます……」
「……可愛い」
「え?」
……待て待て待て、俺は今なんて言った?可愛い?はっ、笑わせるぜ。
が、言われた当の本人は、なんの事かさっぱりなのか、なんの疑いもなく俺の近くに座った。
「おはようございます、よく眠れましたか?」
「あ、あぁ、まぁな」
「じゃあ、傷口だけ、見てもいいですか?身体、起こせます?」
俺が頷いて助けを借りて起き上がるなり、掛け布団をはいで、巻かれた包帯を取っていく女。時折、すごいだの、ほんとに治ってるだの、言っていた。
「ありがとうございます、見せてくださって。まだ、胴体の部分が完全に塞がりきっていないので、ガーゼと包帯、取り替えますね。」
「……お前さん、俺が誰だが知ってんのか?」
一日で、完全に傷が塞がっている事を、分かっていたかのような口ぶりで言った女に、思わず尋ねると、包帯を巻きながら言った。
「私の知り合いにも、傷が一日で完全に塞がってしまう人がいるんです。
名前は存じ上げませんけど、あなた……夜兎族の方ですよね。
倒れていた時にきていた服も、チャイナ服だったし、それに、そばには穴の空いた番傘がありましたから」
夜兎族を知り合いに持つ女たァねぇ……
器用に巻かれていく包帯を見ながら、俺がそう思うと、巻き終わったのか留め金で止めると、そばに置いてあった物を寄越してきた。
「泥だらけだったので、洗っておきました。多分、こっちの服の方が、あなたにとってはいいと思うので、良かったら。
着替え終わったら、仰ってください。食事、持ってきますから」
そう言って、女は包帯とガーゼをもって出て行った。
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rikohuku0428(プロフ) - 続きのパスワードが知りたいです!面白いのでぜひお願いします! (2020年11月23日 0時) (レス) id: 4dacac16ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どこかのムスメ | 作成日時:2018年8月23日 12時