*真選組屯所 ページ39
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「遅せぇぞ、神楽。いつまで時間かかって……」
「か、神楽ちゃん?!その傷、どうしたの?!」
「めんどくさい奴ら、連れてきたアル。」
「めんどくさいヤツら?……って、なんでお前らが」
脅すように言って、渋々案内してくれた先は、何故か真選組屯所。
団長は、コソコソと俺たちを見てくる奴らに興味津々なのか、度々強いかどうか見定めていた。
そして、奥の広い部屋に着くと、そこに居たのは、あの銀髪侍の他に数名。
「誰だ?お前ら」
「その番傘……まさかとは思うが……」
「そのまさかだよ。
で、誰だっけ、お前さんたち」
恍けるように、でも鋭い目付きで言ってきた彼に、団長がにこやかな笑みで口を開いた。
「やだなぁ、忘れないでよ、お侍さん。
俺は、春雨 第七師団団長の神威。こっちが、部下の阿伏兎」
「第七師団っつったら、夜兎族で構成された、春雨の艦隊で最大の戦闘集団じゃねぇですかィ。
旦那も、面白い奴と知り合いなんですね」
「面白い奴ってねぇ、総一郎くん」
「総悟でさァ」
「で。
どうしてその春雨がここに」
「まぁ、ちょっとね。Aに用があって。阿伏兎が」
「ちょっ……おい、団長」
「だって本当のことだろ?
それで、出来の悪い妹がたまたまいたから、聞き出して連れてきてもらったんだヨ。阿伏兎が」
「団長……」
「でも、その様子じゃAが連れ去られた先が分かってないようだね」
「なんなんだ、お前ら。馬鹿にしに来たのか」
「だから違うって言ってるじゃない。」
「阿伏兎殿……と言ったか。」
「あぁ。」
急に長髪男が俺に話しかけてきたが、まさかと思い目を見開いた。
「妹に用があると言ったが……何用か」
「へぇ〜……君がお兄さん……ねぇ、強い?」
「団長。お願いだから、今は何も言わないでくれ」
「ちぇっ、つまんない」
「それで?」
「あぁ……
Aちゃんに、ハンカチを借りたんだ。それを返しそびれてねェ
そんな時、団長からお見合いの話が来ているって言うのを聞いたんだ。相手は俺たちの戦艦でも話に出てる、密売人だそうで。
こうなったら、団長は地球に来たからにはひと暴れしたいらしくてね。来たってわけだ」
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rikohuku0428(プロフ) - 続きのパスワードが知りたいです!面白いのでぜひお願いします! (2020年11月23日 0時) (レス) id: 4dacac16ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どこかのムスメ | 作成日時:2018年8月23日 12時