18 ページ18
.
「何を呆けておる。アホ面を晒すでないわ」
「ア、アホ面…」
ねぇ、なんなの？
どうしたらこの綺麗なお顔でどぎつい事言えるの？
「いや、もうほんと気にしないで。それより、お顔綺麗だね」
「……は？」
「お顔綺麗」
「頭がおかしくなったか」
「失礼な！褒めたんだから喜びなよ！」
「綺麗と言われて喜ぶ男はおらぬ」
そういうもんなんだ。
じゃあ何か？格好いいと言えばいいのか？
「また妙なことを考えておるのであろう」
「宮にね、昨日言われたんだ。そんな噂ばっか気にしないで、ちゃんと自分で見て判断しなさいって」
「………………」
「それに、昨日夜に会った時…ほら、アンタ…言ったじゃん。“好きに生きていい”って」
「言ったな」
「今まであきれ顔で『女らしくしろ！』って言われたことしかなかったから新鮮でさ！…本当は優しい所あるのかなーって反省して」
「くだらん」
面倒くさそうに顔をそらし、ひそかにため息を漏らす毛利元就。
言っときますけど、バレてるし。コノヤロウ。
「…とりあえず、一つでも何か発見しようと思って」
「何をだ」
意外。
ちゃんと聞いてくれるんだ。
「好い所！」
「………………」
私たちがこそこそ話していることが気になるのか、何事かとこっちを見る毛利家臣たち。
「とりあえず、今日発見したのは顔が綺麗なところ！」
「っ…いい加減にしろ」
毛利元就の額に青筋が浮かんで、急に立ち上がったと思ったらどこからか輪刀を持ち出してきた。
「貴様のそのくだらん頭を叩き切ってやる！！」
「うわ、こわっ！！」
裾をあげて、ダダダと駆け回る。
「これから少しの間一緒によろしくね！大っ嫌いな毛利元就さん」
「そこになおれ！！」
「やだねっ！！」
唖然となる家臣たち。
毛利元就が私を追いかける。
護衛隊長は、真っ青な顔を通り越して真っ白になっていた。
「じゃ、苦しいから着替えてくるわ！」
「待て！」
婚礼の儀は終わったんでしょ？
ぴっと敬礼して、また駆け出していく。
うわっと！…走りにくいな…こけそうになった。
「宮ー、着替え手伝ってー！」
そんな私の声を見送りながら、家臣たちの沈黙はなかなか解けなかったという。
そして、私もしっかり宮に怒られてしまった。
(姫様！！)
(うわっ！？)
(貴女という人は！！)
(包丁は下ろして！！怖いから！刺さるから！)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒のコ屋(プロフ) - START＊ANTEMISさん» コメントありがとうございます！5年ほど前の作品をリメイクしておりますので拙い文章ではございますが楽しんでいただければと思います！すでに30話ほど進んでるのに進展ないー！（笑）ここから頑張って二人の距離をエイエイ縮めてやりたいと思います！ (2022年4月28日 19時) (
レス) id: dbfae2dae8 (このIDを非表示/違反報告)
START＊ANTEMIS - 黒のコ屋さんはじめましてSTART＊ANTEMISと言います😺此方の作品を読ませて頂きましたが男勝りなヒロインは元就の所に嫁いで一月まだ進展が進む様子もないそうですが一体次回はどう展開していくのか！？ (2022年4月26日 16時) (レス) @page23 id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒のコ屋 | 作成日時：2022年4月1日 14時
