染まれ染まれ。 8 ページ9
「了解」
(今回は何使おうかな……)
拷問器具の選択に迷っていると、おそ松があ、と何かを思いついたような声を上げて、男に迫った。
口を男の耳元に寄せて、何かを囁いたと思った瞬間。
「ちゅっ」
軽いリップ音を立てて、おそ松は男の額にキスを落とした。
目を最大限に見開いて呆然とする男。固まる一松。何とも言い難い嫌そうな表情で口を覆うトド松。
「はっ、あああああああ!?」
そして、チョロ松は自分の兄の突飛な行動に叫び声を上げた。
そんな各人各様な反応を見せた四人を全く気にせず、おそ松は一人楽しそうな笑顔を浮かべながら言う。
「なははー、餞別。じゃね、お兄さん」
(…………)
そう言って、おそ松はもう男に興味は無いと言うように、さっさと立ち上がって歩いて行った。
チョロ松もトド松を促し、連れ立っておそ松の後を歩いて行く。
一松は部下を引き連れ歩いて行くおそ松の後ろ姿を、ただ見ていた。
.
「拳銃の隠し場所は大角東京店の第二貨物倉庫。警備体制は表と裏の入り口付近に一人ずつ、それと中には管理員に扮した奴が常に一人。
あちらさんのボスのお気に入りで最近特に熱を上げているのは、銀座にある“よつば”って風俗店の百合ちゃんだって。本名は堀川茜。ボスとはシフトと合わせながら、週四のペースで会っていて、特に水曜は絶対に店に行くみたい。
年齢は二十二歳。誕生日は五月二十八日。血液型はO型のRh+。彼氏は今のところ無しで、店から徒歩十五分のオートロックのマンションに住んでる。シェパードのオスを飼ってて、名前はライ。身長162センチ、体重50キロ。スリーサイズは上から」
「ちょっと待て! え、何でスリーサイズまで知ってんの?」
男から聞き出した情報を羅列していくと、電話の向こうのおそ松はさすがに情報の深さに疑問を持ったらしく、遮ってきた。
「何でも、ボスが調べろって言ったらしいよ。んで、頼まれた奴が馬鹿正直に調べて報告したみたい。よくやるよね。
で、聞くの? 聞かないの?」
「聞く」
真面目な声になって言ったおそ松の欲望の素直さにさすが、と言ってから気を取り直して言う。
「上から、81、62、85だって」
「ほう、それは中々……」
「好みでしょ。兄さん胸大きい子好きだもんね」
神妙な声を出すおそ松にそう返しながら、真横の男に目を移す。
その体は椅子に縛り付けられており、男の指は六本ほどへし折られてぐにゃぐにゃに曲がっていた。
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野口 - 今回のお話は、なんて言うか、さすが兄さんみたいな感じで、かくなるうえは!新星病みこわかわいい! 次回のお話もとても楽しみにしてます! (2017年11月14日 22時) (レス) id: 19852ab4e1 (このIDを非表示/違反報告)
野口 - 読むの遅くなりましたが、今回も最高でした!パーカー松本当に好きで、自分好みの文章を書いてくださるAsterさんに、自分好みのお話を書いていただいて本当に嬉しいです! (2017年11月14日 22時) (レス) id: 19852ab4e1 (このIDを非表示/違反報告)
Aster - 野口さん» ありがとうございます! 更新が遅くなって申し訳ありません! 今回の話は全然自信が無いです……。時間を見つけてぼちぼち執筆していきますのでよろしくお願いします。 (2017年8月15日 18時) (レス) id: 6f6df49f3d (このIDを非表示/違反報告)
野口 - 新作おめでとうございます! (2017年1月19日 18時) (レス) id: 9a188fa29d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Aster | 作成日時:2017年1月13日 22時