フラワーカレンダー 《 Satoshi×Kazunari 》

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大野さんと自宅に向かう途中、


運転に気をとられ大野さんが寝ていたのに気づいたのは


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自宅について大野さんに声をかけようと助手席に目を向けたとき。


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ただ流れる沈黙に気が少し重くなる。


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まるで今まで読み進めていた本の続きが落書きだらけで、


諦めてその本置いて本屋を出てしまったときのような感覚。


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起こそうとしてもきっと起きないと確信した俺は、

一度停めた車のアクセルを踏み、

一度来た道を引き返し、大野さんの家に向かった。


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「…っしょ。」


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大野さんの自宅についた俺は

大野さんを負ぶってエントランスまでの道を歩く。


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余分な脂肪の無い筋肉質な体は、

それとは対照的な俺のこのぽっこりお腹で支えるには

かなりの負担で足取りも自然と重くなった。


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「ちょっと…失礼しまーす。」


そう言いながら大野さんの鞄やらポケットの中を探って鍵を取り出す。


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鍵をさして番号を打ち込む。


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番号は前に大野さんから聞いたのをばっちり覚えていたので戸惑うことは無かった。


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その後、エレベーターを経て、

大野さんの部屋までまた大野さんを負ぶっていく。


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そして何の戸惑いも無く部屋に上がって大野さんをベットまで運び、


自分はソファーに座った。


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初めて大野さん家に上がったのに、

なぜか違和感を感じなかった。


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そして大野さんが見える方を見ながら目を閉じた。

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