わるいこ[After the Rain]

22話『どこへ行くんだい』 ページ32

＊



目が覚める。


気分は最悪。
だけど頭の中は妙に冷静。





直ぐにベッドの中から抜け出して部屋を後にする





(はやく、あのこにあわなきゃ)







あやまらないと。









寝起きで髪が少し荒れていても
服が寝巻きであっても、気にしない。

その足は次第に早足になる。




はやく、はやく、はやく、はやく。



出口へ。









私の足取りはどこか確定的に、そこへたどり着いて扉を開ける。








吹き付ける雪に寒いという感覚は、素足に冷たいという感覚は直ぐに奪われて。





時期に耳、鼻、指先、足、全ての感覚が凍えて自分の意思で動かせているのか定かではない。









はやく、あやまらないと。









ぽす。



ゆっくりと倒れる。



雪の中に体が埋もれる。






直感で感じ取る。


ああわたし、死ぬんだ。









もみの木の林とも、森とも言われるその迷いの森


ざわざわと風に煽られ揺れる木々に吹き付ける雪





そして、月の夜空は赤く染まり、黒のサンタは悪魔のように微笑んだ。





「みつけた……。どこへ行くんだい？？A」






焦ったような、酷く安堵したような声が響いた

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