わるいこ[After the Rain]

12話『眠る』 ページ13

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まふまふside







ロッキングチェアに座って膝にはAを乗せる。


Aは僕の服に顔を埋めてよく見えないけれど、すぅ…と可愛く規則正しい寝息が聞こえるので眠っている





(あぁ、なんて愚かで、無垢で、愛しいんだろう。)







彼女にとっての悲劇は、実を言うと全て僕の…否、僕らの仕業だったのだ。





え、そんな気がしてた？


まぁ、僕らはこのAのために何年も準備を重ねて、来たんだ。

もう、失敗なんかしない。









「ケッコン…キョウカイシキ…」




聞きなれない言葉を復唱する


Aから聞いた、人間の世界の結ばれる方法。


指輪の交換はなんだか僕らの結婚のプレゼント交換みたいで、きっとそれは特別なものなのだろう。





そっと、Aの左手を取って眺める。



「…すぅ……すぅ…」




それでも、今日は不思議なことが起こって、沢山泣いて、疲れたのだろう。


まぁ、ここへ来る間に寝ていたはずだが、Aは寝るコトが好きなのだろう

Aは全く起きる気配がない






「はやく、Aが僕らで縛られますように」






僕はAに不幸な願いをかける。


そして、その願いは必ず実現する。








「…はぁ。」



僕は立ち上がり部屋を出る。


そっと、Aを起こさないように抱き抱え、客間…Aの部屋に入ってそのベットに寝かせる。








「…」



僕は、『眠る』ことが苦手だ。

多分。そらるさんも。







だからかな。


僕らには少しばかり隈が見えるようで、どうにもいけない。




(今日から本格的に『眠る』ことをしたくなくなるなぁ…)



でも、Aがいるならよく眠れそうだね

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