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それは幸いか災いか ページ35

──以来、彼女は病院で一命を取り留めたものの、事故から二ヶ月経っても目覚めることはなかった。凪はそれが理由で、此処に来るまで引き籠っていたのである。

高校生の彼女には、痛々し過ぎる、トラウマだった。



『ずっと……、ずっと目覚めない。私が、私の、せいでずっと、』

「違う」



カタカタと震えながら発されたその言葉を、誰かが──織田作が、遮った。

凪の震えが止まる。何が、何が違うというのか。何も違わないだろう、だって自分は彼女を。自分のせいだ、それ以外の何物でも、──ない、はずでは。



「違う。お前のせいじゃ無い」



彼が力強い声で繰り返した。断定するようなその口調に、凪の瞳があらん限りに見開かれる。

……あぁ、嬉しいなぁ、なんて心の声が聞こえた。ふ、と気の抜けた笑い声がする。そうしたら次に襲い掛かってきたのは強烈な眠気だ。夜もすっかり更けた風景がゆるりゆるりと見えなくなるのを自覚しながら、それでもその言葉を云わずにはいられなかった。



『……ありがとう、ございま、……』

「──? 凪?」



織田作が振り返って確認すると、凪は寝ていた。すぅすぅと寝息を立てている──いつもの強気そうな表情とは裏腹なそれに、少し毒気を抜かれる。元々あってないようなものだが。

寝てしまいました、と安吾が云った。そうだねと太宰が興味がなさそうに相槌を打つ。しかしすぐに打って変わった楽しそうな表情で、「着いた」と二人に高らかに告げる。


安吾はその笑顔に吐きそうな顔を浮かべるものの、「仕方無いですね」と云った。織田作が背中の凪を降ろして、太宰は両腕で受け取り膝裏と背中を抱えた。



「じゃあね、二人共」

「ああ、お休み」

「絶対に手は出さないで下さいね」



安吾が釘を刺すが、太宰はどうでもいいようにニコニコ笑顔を浮かべながら空返事をした。苦虫を噛み潰したような表情のまま背を向けた安吾と、相変わらず無表情な織田作の背中を見た後、凪に与えている部屋に入る。


寝台の上に彼女を起こさないように置いて数秒考えた後、顔を彼女の首に近づけて強く噛みついた。ん、と痛みに呻いた声を凪が出すが、彼女が起きることはなく。



「……うふふ、お仕置きだよ」

梶井氏、檸檬愛好家→←泥酔とは



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白夜の世界 - ユーヒ様、申し訳御座いません。ですが、優姫ちゃんは死んだおりません。作品の中では余り細かい描写をしていないのですが、今昏睡状態になっております。…あと、本当にどうでもいいかもしれませんが、ユウキちゃんです…。御気分を悪くさせてしまい申し訳御座いません (2019年4月3日 7時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - ゆきな様、ありがとう御座います!其方もお体に気をつけて下さい! (2019年4月3日 7時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
ユーヒ - 夢主の親友が私と同じ名前で、死んだって聞いて何かショック。('' ) (2019年4月3日 1時) (レス) id: 1dd8890cea (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - ヤバい太宰さん変t))ん"ん"…織田作かっこいい!(中也さん推し)これからも無理せずに頑張ってください (2019年4月3日 0時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - 船長様、ありがとう御座います!此れから続編へ行きますので、どうぞ次の話も、宜しくお願いします! (2019年4月2日 15時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/  
作成日時:2019年2月24日 21時

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