初めて「おっふ」というのを口に出した ページ32
太宰さんが「え!?」とか何とか驚き声をあげたり織田作さんが何やかや云ったりと聞こえたが、生憎とそんなことに構っていられるほど正常な状態ではない。恥ずかしさのあまりカウンターに顔を突っ伏させるが、織田作さんが私の肩をゆすった。
仕方無く顔をあげる、一体何だと──
『ん』
私の視界にドアップで織田作さんの顔が映っている。唇には柔らかい感触、今まで感じたことがないぐらいに熱を持ったそれがある。微かな湿り気を帯びているそれは、確実に、その。
……つまり?
『おっっっっふ!?』
「……柔らかいな」
口許を押さえたにも関わらず奇声が発せられるが、そんなことに気を払っていられるほど私は余裕がある訳じゃない、むしろ今あの思考回路が全く繋がってなくて、というか唇ぺろって舐めた織田作さんがイケメン過ぎるじゃなかった間違えた。
今、今、と言葉にならない私に、織田作さんは何のことはないように酒を一口呷る。
「
『もうちょい言葉をぼかしなさい!』
何だ此れ顔が熱くて堪んないぞ此れ。え、待ってよ本当マジで待って。
ショートした脳を何とか稼働させようとしている私の肩に、またも誰かの手がかかった。ふざっけんなこちとらそれどころじゃねえんだよ、とお世辞にも良いとは云えない言葉が飛び出る、前に。
『ふ、っ』
またもキス。先刻と違うのは、先刻よりも深いということ。マジで使い物にならない脳が判断する前に、なんかめちゃくちゃな感触のものが這入ってきて、いや待ってやばい、やばいコレ、
……口内をかき混ぜ、酸素を根刮ぎ奪って行った舌は、暫く私の口の中を堪能したかと思うと、すっと離れていった。
『はぁッ……は、』
「うふふ。ごちそーさま」
肩で息をする私とは対照的に、太宰さんは余裕の表情だ。
顔が赤いのは、アレだ。息ができなかったからだ。恥ずかしいとかそんなんじゃないとか云おうと思ったけどこれはアウトだわ、恥ずか死ぬレベルでアウトだわ。
「凪ちゃーん、私とのキス如何だった? 気持ち良かったでしょー?」
『な……な訳無いでしょうが!』
咄嗟に否定の言葉が口から飛び出たが、正直に言おう。気持ち良かったとか全然分からなかった。というかこんな状況でキスされてそんなことが分かる奴がいたらむしろ連れてきて欲しい。
『〜〜ッ、何なんすかっ……!!』
オレンジジュースを一気に呷る。
お酒は二十歳になってからです→←恋愛とシリアスを同レベルにしてしまうのはおかしいだろうか
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白夜の世界 - ユーヒ様、申し訳御座いません。ですが、優姫ちゃんは死んだおりません。作品の中では余り細かい描写をしていないのですが、今昏睡状態になっております。…あと、本当にどうでもいいかもしれませんが、ユウキちゃんです…。御気分を悪くさせてしまい申し訳御座いません (2019年4月3日 7時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - ゆきな様、ありがとう御座います!其方もお体に気をつけて下さい! (2019年4月3日 7時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
ユーヒ - 夢主の親友が私と同じ名前で、死んだって聞いて何かショック。('' ) (2019年4月3日 1時) (レス) id: 1dd8890cea (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - ヤバい太宰さん変t))ん"ん"…織田作かっこいい!(中也さん推し)これからも無理せずに頑張ってください (2019年4月3日 0時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - 船長様、ありがとう御座います!此れから続編へ行きますので、どうぞ次の話も、宜しくお願いします! (2019年4月2日 15時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時:2019年2月24日 21時