お酒は二十歳になってからです ページ33
というか二人は何でこんなこと、私一応貞操観念はきちんとあるし、いやイケメンだからアレなんだけどぉ、うう、あー。
「え、私のお酒は?」
待ってマジで自棄酒だった件について。
ふにゃ、と呂律の全く回っていない凪の肩を掴んで、太宰は慌てて自分の方を向けた。「だ、大丈夫!?」と声を掛ける。実は自分がいつも頼んでいるもののアルコール濃度はかなり高めな方なのだったのだが、彼女はぼぅっと太宰を見つめるだけだった。
そして、唐突に、頬にキスをした。
「………、は?」
『わはは、ふわふわしますねぇ……、にゃふ』
何時もの凪からは全く考えられない行動に、太宰は唖然とする。そして見る見るうちに顔を真っ赤にさせていった。
にゃふって何だにゃふって。可愛いか。いや違うそれどころではなく。
織田作はその行動に目を見開き、流石におかしいと彼女の肩を引き戻す。酒を飲んだせいで体温が上がっているのが、顔を赤くさせている。むにゃむにゃとだらしない顔をしている彼女は、へらりと笑みを浮かべたまま彼に抱き着いて額にキスをする。フリーズした。
……先程ファーストキスが如何の斯うの云っていた凪は何処へいったのだろうか。
「凪さんっ、ストップです!」
『ぅわ』
此の儘では不味いと判断した安吾は、彼女を羽交い締めにして行動を止めさせる。しかし何のことはない、顔をぐりんと上に動かし、安吾の顎にキス。一瞬固まったものの、直ぐに凪の口を手で塞いだ。
『む〜』
「此れは本当に凪ちゃん……? 宇宙人が擬態してるとか…?」
「……いや、それは流石に……あるかもしれないな」
「何の会話をしてるんですか貴方達は」
太宰は彼女と目線を合わせ、頬をぷにぷにと触ってみる。そうしてみれば子供のように、にへら、とトロンとした顔つきで笑った。
太宰の心にダイレクトアタック、何だこの可愛い生物は。
そんな風に一旦落ち着いたとはいえ、先程のように誰彼構わずにキスされたら堪ったものではない。主に男性陣に良くない。安吾は溜め息を吐いた。いやむしろそれ以外にどうしろというのか。
「……送っていく他ありませんね」
心底同意する、といったように二人が同時に頷いたことで余計に溜め息が重くなった。ダメだこいつら。
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白夜の世界 - ユーヒ様、申し訳御座いません。ですが、優姫ちゃんは死んだおりません。作品の中では余り細かい描写をしていないのですが、今昏睡状態になっております。…あと、本当にどうでもいいかもしれませんが、ユウキちゃんです…。御気分を悪くさせてしまい申し訳御座いません (2019年4月3日 7時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - ゆきな様、ありがとう御座います!其方もお体に気をつけて下さい! (2019年4月3日 7時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
ユーヒ - 夢主の親友が私と同じ名前で、死んだって聞いて何かショック。('' ) (2019年4月3日 1時) (レス) id: 1dd8890cea (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - ヤバい太宰さん変t))ん"ん"…織田作かっこいい!(中也さん推し)これからも無理せずに頑張ってください (2019年4月3日 0時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - 船長様、ありがとう御座います!此れから続編へ行きますので、どうぞ次の話も、宜しくお願いします! (2019年4月2日 15時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時:2019年2月24日 21時