織田作にドッキリとか絶対無理じゃね？ と思った今日この頃。【黒の時代】

連絡先交換、其の参 ページ27

『だざぁーさーん！』



そう叫びながら太宰さんの処の突撃(タックル)をかませば、ひらりと躱された。勢いあまって壁に激突しそうになり、目を剥きながら何とかブレーキをかける。が後少しでぶつかると言ったところでグイッと後ろに引っ張られた。

「太宰ね、太宰」と云ってニコリと微笑んだ彼に、『アドレスを交換させて下さい』と告げれば、勝手にポケットの携帯を取られて設定をされる。ひらひらと携帯を軽く振って「完了ー♪」と軽々しそうに告げられた。完全にチャラ男のそれであった。


「え、何処が？」

『いやもう醸し出す雰囲気全てが』

「それってどうしようもないって云ってるようなもんじゃない」



えぇと、残る連絡先を交換していない人物は、中也さんと安吾さんと織田作さんぐらいだろうか。



まずは中也さんの連絡先を訊き出そうとすればめちゃめちゃ嫌そうな顔をされたので、拳を固めれば快諾してくれた。別に無理矢理なんかではない。


ので、最初は中也さんの処である。


『中也さーん！』と叫びながら同じように突撃すれば、受け止めてくれた中也さん。こう云う処がイケメンだよね、太宰さんと違って。まぁ太宰さんに云ったら確実に殺されそうなので絶対に云わないでおくが。

どうした、と苦笑交じりに訊いてくれる彼に『首領(ボス)に携帯を貰ったので』と笑えば、数秒間まるで石像のように硬直される。へ、と阿保面を晒せば、ガシィッと力強く肩を掴まれた。



「首領！？」


その余りの剣幕に一瞬ビクリと肩を揺らしたのが伝わったのか、「あ、悪ィ」と云いながら離れてくれた。

若干どもりながらも『そ、そうですが』と答えると、状況を整理する様に眉間を摘む中也さん。めちゃめちゃ横顔が悩まし気である。これ私のせいなんだろうか。


それから呆れたような視線で、「手前……真逆首領とも知り合いだったのかよ？」と問われた。




ええ、まあ、と肯けば凄い顔をされた。それからぽつりと聞かせる心算が無いかのように、あの噂も、と微かな音量で呟く。

勿論私がそれを見逃す訳などなく、何のことですかねぇねぇねぇと蛇のようにうねうねと絡みつけば、真っ赤な顔で「離れろ！」と怒鳴られた。あんた18歳のくせに迫力があるすぎるんだよ怖いだろうが。



とかくして、彼にどんな噂か聞き出してみれば。

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