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35話 「友達」 ページ38

「俺先帰るってばよ」

そう言ってナルトは走り去っていった。私も帰ろうとした時。

ザッ
足音がして振り返ると、カカシがいた。

「やっほー!!カカシさーん、なんか用?」

出来るだけ明るく言おうとした。しかし、カカシは仮面をしていても、くらい表情をしていることが分かった。

「……見てたの」

「……ああ」

色々とめんどくさくなりそうだったのでカカシには見て欲しくなかったのだが

「……お前は…ナルトの友達でいてあげろよ。あいつが頼れるのは、お前だけなんだから……」

「……もちの、ろん!」

忘れた訳では無い。私はスパイ。九尾の動きを監視するために木の葉へ来ただけ。ナルトにとって、Aという存在は友達でも、Aにとって、ナルトという存在は……友達ではない。私がしているのは友達のフリ。どうせ……どうせ……いつかはナルトを殺さなければいけない日が来るのだから

〜カカシside〜

親に迎えに来てもらう子供たち。親のいないナルトとAにとっては辛いのでは……。そう考えていると、親達が次々とナルトを指し始めた。内容はもう予想がつく。子供たちにナルトから離れろと。ナルトは青ざめた顔で俯いた。

「……これは…」

「…!火影様……」

俺が窓から離れないのに気づいたのか、火影様も外を見た。

「……カカシ、Aに伝えておいてくれぬか……」



「やっほー!!カカシさーん、なんか用?」

俺が校庭に下りると、Aは悲しさを誤魔化すような笑顔で言ってきた。

「…お前は、ナルトの友達でいてあげろよ。あいつが頼れるのはお前だけなんだから……」

「………もちの、ろん!」

返事が返ってくる前の小さな間が気になったが、九尾の子に友達が出来て、正直少し嬉しさを感じた。普通の子供なら、ナルトを怖がるはずなのに…Aは何故自ら近づいたのか。


Aはスパイではない……。少なくとも、俺はそう思いたかった。ナルトのためにも…Aのためにも……。



〜オビトside〜

「幸い容姿は知られていない見たいだけどね」

暁のアジトで、俺はゼツと話していた。岩隠れでのAの件だった。

「Aの能力は暗殺には向いていないな…」

「加減ヲ知ラナイバカガ」

あの日、Aが大量に暗部を殺したため、Aの存在は大幅に知れ渡っている。

「Aがあの時使ったものは、雷引爆と……引爆破くらいかな?僕の覚えている限りでは。」

「次の報告のとき、Aにそれらはもう使うなと伝えろ」


〜オビトside〜終了

36話 「悲しい笑顔」→←34話 「親の愛」



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作者名:いっちー | 作成日時:2017年8月17日 23時

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