28話 「一人暮らし」 ページ31
私とナルトはまた顔を見合わせた。
「神様ぁぁぁぁああああああああ!!!!」
泣きながら私たちは交互に土下座を繰り返した。
「いやいや、感謝するならカカシさんだよ。任務があるのに君たちの弁当を作ってくれたんだから。」
「まじか」
「誰それ」
実はまだカカシに直接会ったことが無いナルトは首を傾げた。
「後で礼を言わないとなぁ…。」
そんなナルトを無視して、私はひとりで呟いた。
弁当を食べ終え、私たちはみんなが集まっている外へと出た。どうやら何をするかで喧嘩をしているようだ。
「隠れんぼやろうぜ」
「隠れんぼとか全然盛り上がらんじゃん」
「忍者ごっこしよー」
どれも幼稚な遊びばかりだな。興味無い。誰か本気の戦いをしたい人はいないのか……私が相手をしてあげるのに……そんな事があれば里が吹っ飛んでしまうだろうけど!
興味無さそうな私とは逆に、ナルトはまたまた必死に声をかけていた。友達つくりたいのかこいつは。
しかしそんなナルトの願いは叶わず、みんなナルトを無視して隠れんぼを始めた。
昼休みはすぐに終わり、今日は早めに家に帰ることになった。ナルトの方を見る。
「うわっ……」
地球の裏側まで沈んでいってしまいそうな暗い空気が漂ってきて、思わず口を手で塞いでしまった。こんなに落ち込んでいるナルトは見たことがない!
「ナルトぉ、明日だってあるし、友達は時間をかけてつくるものだよ?」
「…………………だよなぁ!!明日もあるってばよーーー!!」
非常に立ち直りが早い人で助かった。そういうところが君のいいところなんだ!ナルト!しかし、アカデミーからの帰り道、ナルトは親と一緒に帰っていくみんなを寂しそうな目で見ていた。
「……で、ナルトは昼休み何がしたかったの?」
私はナルトに聞いてみた。
「俺は本当は鬼ごっこがしたかったんだけど、誰も聞いてくれないんだってばよー……」
「……そうか。」
なんかみんな子供だねぇ。隠れんぼとかのどこが面白いんだろう。
まぁ、子供なんだしみんなと遊びたい気持ちもわかる。明日みんなに私からも言ってみようかな。みんながナルトを認めてくれるかは分からないけど。
そして私たちはアパートにつき、それぞれの部屋に入った。孤児院から送ってもらった物を整理して、私たちは屋上で集合した。
「ねぇねぇ!ナルトは晩御飯何にするのー?」
これから一人で自分の世話をしていかなければならない。
「俺さ!俺さ!やっぱカップラーメンにするってばよ!!」
「……太るよ」
「うるせぇー!好きなものは好きなんだからしょうがないってばよ!!」
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作者名:いっちー | 作成日時:2017年8月17日 23時