27話 「入学」 ページ30
ガァァァアアアンッッッ!!!!
「いったぁーーーー!!!!」
急に私の頭に激痛が走った。
「いくら何でも……遅すぎるってばよ!!A!!この穴から出るのにどんだけかかったと思ってるってばよぉ」
ナルトは半分泣きながら言ってきた。
「さーせん……」
まじで忘れていたことは申し訳ない。
その後、私たちは大人しく施設に帰った。その日から私とナルトは何度も孤児院を抜け出して遊んだ。その度にカカシに捕まえられて連れ戻されたけど。そして時は過ぎ、私たちは忍者アカデミーに入学することになった。
「やっっっっっっとだってばよぉー!!」
この日から私たちは一人で暮らすことが許される。里は私たちにアパートの部屋を用意してくれたのだ!
ナルトは笑顔ではしゃぎ回っていた。
「今までは外からしか見てなかったけど、今日から私たちは生徒だ!ナルト!!」
私もニコッと笑い、ナルトに言った。私も正直、少し嬉しい。やっとあの院長……あの不気味な笑顔から開放されるのだから!
「みんな、こんにちは!今日から君たちはアカデミーに入学した訳だけど、早速自己紹介をしてもらおうか」
またこれか。私の嫌いな自己紹介。
「私の名前はAです。よろしく。」
みんなが趣味やら夢やらを明るくいう中、私は無表情で呟いた。
「名字はなぁーにー?」
隣の子に聞かれた。流石好奇心で溢れる子供、なんでも知りたがる。
「………」
なんて言えばいいのだろう。
「あ、じゃあ次の人行こうか!」
先生ありがとー!事情を知っている先生はウィンクをしてきた。
その後、ゲームみたいなのをしてから、昼休みになった。
「あ、ねぇねぇ!一緒に食べよ!あ!俺と一緒に……あーあのぉー!」
ナルトは必死にみんなを誘おうとするが、何故かみんなは無視をする。理由は分かっているのだけれど。
「……」
「ナルト!行こ!」
「うん…………」
ナルトは暗い声で答え、俯きながら席に座った。………と思ったら急に顔を上げた。
「…………よく考えたら俺ら弁当無いってばよ」
「………よく考えなくてもわかると思う」
「………………………」
私たちは暫く顔を見合わせ、沈黙が続いた。
「ぎゃぁぁあああああああああああ!!!!」
「ど、ど、どどどどうするってばよぉぉおおおおおお!!俺昼ごはん無しじゃ生きていけないってばよ!!」
「私もだぁぁああ!!!!」
「あぁ、その事なんだけど、はい。」
と、先生が目の前に現れ、私たちに弁当箱を渡した。
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作者名:いっちー | 作成日時:2017年8月17日 23時