24話 「探検」 ページ27
「やば……ここ何処だってばよ」
「だから下だ!」
前、横、上。追いつかれる可能性が高いその三つ以外は、下しかない。そう、今私たちは土の中にいる。
「なぁ、Aー。折角脱出出来たんだしいろんな所行くってばよ!まず一楽でしょ、里の隅にある茶屋でしょ、あと前見つけたラーメン屋さんでしょ、それから……」
「……おめぇどんだけ食うつもりだー!!」
「だって俺たち自由なんだよ!何でもできるんだから精一杯楽しむってばよ!」
ナルトは子供らしくワイワイはしゃぎ回っている。だけど……
「……そんなお金どこにあるのー?」
私がニヤッと笑ってみせると、ナルトの顔はどんどん青ざめていった……。
「忘れてたってばよぉ……」
ナルトは人生の終わりが来た、みたいな顔をしている。そのまま沈黙が続いた。
ちょっと可哀想だったかな……
励まそうと、近寄ると、
「あーー!!」
ガバッ
ガァアアアアンンンンンンン!!!!
「いったぁああああああああ!!!!!!!」
ナルトはしゃがんだ体制から急に飛び起きた。結果、ナルトの頭と私の額が激突したのだ
「いってぇー!!A何すんだってばよ!!」
「お前だろ!!」
あーあ。心配した私が損したわ。
「いや、そんな事よりいいこと思いついんだってばよ!」
「まず謝れ」
「さーーーーーせんしたぁー!!!!」
ナルトが思いっきり土下座してきた。
「そうだぁー!もっと謝れー!貴様が悪いのだー!ハッハッハッー!」
我ながらドSだな。しかしここに来てから私もナルトにつられてバカになってきている気がするのは気のせいか……。気のせいであってほしいな!
「んじゃあ、さっきの続きだってばよ」
千回ぐらい土下座させて私が満足した後、ナルトは声を潜めて言い出した。
「お金がないなら………盗めばいいってば─────グエッ」
お腹をおさえてナルトは倒れ込んだ。
「人のものを盗んじゃあダメですよぉナルトくーん」
「……………」
「……あ、気絶しちゃった」
これがデジャブか。
やはり、また数分後、ナルトは元気良く起き上がった。
「折角逃げれたのに何も出来ないなんて悲しすぎるってばよぉ……」
「何も出来ないってわけじゃないよ?折角だし……木ノ葉を探検してみよ!」
私にだってやりたいことがある。
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作者名:いっちー | 作成日時:2017年8月17日 23時