23話 「逃走」 ページ26
ナルトはドアを開けるのに手こずっているようだ。
「Aちゃん……輪廻眼って……本当なのか?」
「え……あぁ……まぁ……」
やばい!暗部の圧力やばい!
(ナルト早くしてくれぇぇぇえええ!!!!)
ガチャッ
やっとドアが開いて、ナルトが外に飛び出す。私も後でアカデミーの前で合流するはずなんだが、ここを抜けられそうにないな……。
「あ、あのぉ…………実は輪廻眼なんて嘘だったり………嘘じゃなかったり…………」
「………」
その場にいる全員が私を睨みつけた。
「う、嘘ついてすみませーん!!!!ちょっと驚かせたかっただけです!!!!」
「驚かせたかっただけだとしても……なんで君が輪廻眼のことを知っているんだ…?」
……あ。
普通の子供が輪廻眼なんて知ってるはずないな……。
「昔、誰かに聞いたんだよー!」
嘘ではない。私はオビトから色々なことを聞いて学んだのだ。
職員達は部屋に戻っていき、残ったのは私と……院長だけ。
「Aちゃん……嘘をつくのはダメだよ?」
「すみません……」
「……罰として一週間外出禁止!!!!」
「えっ」
ええええええええええええ!!!!なんだよそれえええええええええええええええええええ!!!!まぁ……逃げ出すのは簡単だろうけど。
「逃げ出そうなんて思わないでよ?ちゃんと私も職員達も見てるんだからね」
……私がフツーに逃げ出したから逆に怪しまれるかな。ここの職員は一応暗部なんだし。四歳の子供が暗部から逃げられる訳が……ない!
……これって…ナルトと合流出来ないってこと?
どうしよう……。目の前で院長がニコニコと笑っているから集中出来なくてまともに考えられない!!
……もう四歳の子供がどうとかどうでもいいから取り敢えず逃げよう!
ザッ
勢い良く地面を蹴り、飛び上がる!
パリ────────ン!!
窓を思いっきり割って外にゴー!全速力でアカデミーへ走る。
「あ!A!やっと来たか……」
ナルトがいた。しかしナルトの視線は私の方ではなく、私の後ろを向いている。
バッ
振り返るとまだニコニコと微笑んでいる院長がいた!
「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
ホラー映画に出てきそうな光景だ。
「逃げるよ!ナルト!!」
「分かってるってばよ!」
相手は暗部だ。私は良いけどナルトは多分逃げきれない……!
「A!どっち行けばいいってばよ?」
「ナルト!下だ!!」
ドォォオオオオオオオオン!!!!
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作者名:いっちー | 作成日時:2017年8月17日 23時